今回は「コーヒー」 について取り上げてみようと思います。

おそらく多くの人々は眠気覚ましの目的で飲んでる方が多いのかと思ってます。私も「朝ごはん後」と「昼食後」に飲まないと違和感を感じるくらい、毎日のようにコーヒを飲んでいます。

そんなコーヒですが、健康の観点から体に良いのかという点について気になっている方も多いと思うのでその事について解説していきたいと思います。

先に結論を言ってしまいますが、コーヒーを飲む事は「健康に良い」です。その理由を下記で説明していきます。

ーヒの主成分

まず初めにコーヒーの主成分について確認していきましょう。

上記のグラフから分かるように多糖類」「脂質」「タンパク質が大半を占めておりその次にクロロゲン酸」「カフェインが続いてきます。

多糖類というのはブドウ糖や果糖などの単糖類が結合してできる物質の総称ことを指します。要するに「糖質」の一種です3大栄養素についての性質は別の記事で取り上げることとして、ここではコーヒーに含まれる特徴的な栄養素に着目してみていきましょう。

3大栄養素について気になる方は下記記事を確認してみてください。

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各成分の健康効果について

カフェイン

コーヒーと言われればまずでてくるのは「カフェイン」ですよね。

カフェインというのは覚醒作用のある植物性由来成分の一種です。コーヒー以外にもお茶、エナジードリンクなどの飲み物に多く含まれている傾向があります。
抽出方法によって異なりますがドリップコーヒーでは100mlあたり60mg程度のカフェインが含まれています。

このカフェインは、脳に作用して副交感神経を刺激して心臓の働きを強めることで心拍が増加する効果があります。
また、「利尿効果」があると言われていますが、これは肝臓で分解され、代謝によってできた物質が腎臓の血管を拡張することで腎臓の働きが活発になるためです。

また、カフェインには動脈硬化を防止する効果もあるとされているため、これもコーヒーが健康に良いと言われる所以でもあります。

ついでにですが、致死量は血中濃度が80mg/L以上らしいです。およそ人間の血液量は80ml/kgなので60kgの人ならカフェイン3g以上つまり5L以上コーヒーを飲まないと逝けません。という事なのでコーヒーを少し多めに摂取したからといって問題にはならないかと思います。

昨今タブレットで簡単にカフェイン摂取ができるようになってます。数百mg含有しているものが多く心臓に強い負荷をかけてしまうため、あまりおすすめはしません。(タブレットは最終兵器くらいの感覚で使用するようにしましょう。)

クロロゲン酸

クロロゲン酸というのはポリフェノールの一種、実はカフェインよりも含有量は多かったりします。
ただし熱に弱いので焙煎の過程で含有量は減少します。

したがって、浅煎りの方がクロロゲン酸の含有量は多くなります。また、インスタンスコーヒーや缶コーヒーよりもドリップコーヒーの方が多く含まれている傾向にあるので時間のある方はドリップコーヒーをおすすめします。

さて、このクロロゲン酸ですが「抗酸化作用」や「コレステロールの低下作用」、「ブドウ糖の吸収を抑制する作用」があります。

まず、抗酸化作用はその名の通り体内が活性酸素によって酸化するのを防止する作用の事です。
基本は体内の酵素が活性酸素を分解してくれているのですが、活性酸素の生成が多いと分解が間に合わずに体にダメージが残ってしまいます。

次に、コレステロールの低下作用ですが、そもそもコレステロールは血中の脂肪分の一種です。
特に悪玉コレステロール値が高いと血管の縁に付着して動脈硬化の原因になったりするのでその抑制効果が期待できます。

最後に、ブドウ糖の吸収を抑制する作用は血糖値の上昇を抑える効果があるので、「ダイエット」の意味合いが強いかなーと思います。もちろんこれも体に良い影響を与えるのでそれについては下記の「糖尿病を予防する」で解説します。

ニコチン酸

次にニコチン酸です。上のグラフではトリゴネリンと記載ありますが、熱で分解されてニコチン酸になるのでここではニコチン酸について触れていきます。(2019年くらいにトリゴネリンを90%以上残すことに成功!みたいな話もあったようですが)

ニコチン酸は別名「ナイアシン」とも呼ばれビタミンB3に属するビタミンの一種です。

このニコチン酸は「抗酸化作用」や「血管拡張作用」があります。そのため、動脈硬化の予防として重要な役割を果たしている成分です。

ついでに、タバコに含まれているニコチンとは別物ですので「タバコ吸ったら動脈硬化予防できるじゃん!タバコ健康に良い!吸ったろ!」とならないように注意してください。

アクリルアミド

上記だけでは「コーヒー最強じゃん」となってしまうので「体に悪い」成分についても解説します。

その一つとしてアクリル網戸と呼ばれる物質があります。このアクリルアミドですが、アミノ酸や糖質を高温で熱することで発生する物質で揚げ物や焼き物に多く含まれている「発ガン性」の物質です。

ただ、含有量は非常に少ないので、これによって発ガンのリスク増加につながるとは考えづらいです。一部では「コーヒーは健康に悪影響を及ぼすから飲んではいけない」という人がいたようですが、騒ぐほどの量じゃないので安心してください。

ジテルペテン

ジテルペテンは要するに「油」です。油分なので血中のコレステロール値を上昇させ、動脈硬化の原因になります。

「上記のクロロゲン酸でコレステロール値の上昇を抑えるってのと矛盾してる」と思うかもしれませんが、この油分は紙フィルターで濾過することで含有量はかなり抑えることができます。

なので、このジテルペテンを気にするのであれば、ペーパードリップコーヒーがおすすめです。反対に水を煮立てて上澄みだけを飲むトルココーヒーは多かったりします。(が、飲んではいけないという話ではないです。)

当たり前ですが、どんな食品も悪影響を及ぼす成分は少なからず入っているものなので、それを知った上で食べるもの・飲むものを選択することが重要かと思います。

ーヒーがもたらす恩恵

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上記の成分を元にコーヒーがもたらす健康面の恩恵は以下の通りです。

糖尿病の予防効果がある

糖尿病というのはインスリンの効きが弱まってしまい、血中の血糖値が高くなってしまう病気です。

健康的な体であれば、血糖値の上昇とともに膵臓からインスリンというホルモンを分泌され、血液中の糖質が体に吸収されることで血糖値を下げてくれるのですが、膵臓の機能が弱まってたり普段から糖質を大量に摂取していると血糖値が高いままとなり、血管をボロボロにしてしまいます。

特に、この糖尿病による影響を受けて発症する3大合併症である血管の病気が怖かったりするのですが、ここでは割愛します。

現在、糖尿病に罹っている人は予備軍を含めて1000万人いると言われています。身近にありふれており、健康被害の大きい生活習慣病と言えます。

コーヒーにはこの糖尿病を予防してくれる効果があります。

この予防に一役買っているのが「クロロゲン酸」です。
先ほどクロロゲン酸は「ブドウ糖の吸収を抑制する作用」があると記載しましたが、正確には膵臓から分泌されるインスリンの効きをよくする効果があると言われています。
これによって血糖値の上昇を抑えることができるため、結果的に糖尿病の予防につながるというわけです。

実際に毎日コーヒーを3杯飲む人は全く飲まない人よりも糖尿病発症リスクが20%下がった、といった研究結果も出ています。

ダイエット効果がある

糖尿病の話続きで言うと、副次的な効果として肥満防止につながります。

そもそもの太る原因として、血糖値が急激に上昇することが挙げられます。
血糖値が急激に上昇するとインスリンが過剰に分泌されるため、その分だけ血中のグリコーゲンを中性脂肪として脂肪細胞に取り込もうとします。

コーヒーに含まれているクロロゲン酸はこの血糖値の急激な上昇を抑えてくれるため、体内への吸収を緩やかにしてくれるため、肥満につながりづらいというわけです。

よく「食後のコーヒー」という言葉を耳にしますが、実際には「食前」の方が食事中の血糖値の上昇も抑制してくれるので効果があります。

しかしながら胃に刺激を与え胃酸の分泌量が増えることで胃袋の酸性が強くなってしまうと、胃の痛みや胸焼けにつながることもあるので、胃が強い人にだけ「食前のコーヒー」はおすすめです。

動脈硬化の防止

こちらは成分の紹介の時にも口酸っぱく言っていたことですね。
カフェイン、クロロゲン酸、ニコチン酸それぞれの成分は動脈効果を防止する役割があります。

動脈硬化はコレステロールか血管の縁に付着することが原因と記載しましたが、実際にはこれを解消する機能が人の体には備わっています。

それがマクロファージと呼ばれる白血球で体内で清掃屋としての役割を果たしてくれています。このマクロファージが血管に付着したコレステロールを捕食して綺麗にしてくれるのですが、量が多すぎると処理しきれずに溜まってしまう、といったことになります。

有酸素運動や日光浴でビダミンDを摂取することでマクロファージを活性化させ、上記の処理できる量を増やすというのも一つの手ではあるのですが、1番良いのは「予防する(コレステロール値を上げない)」事なので、コーヒーを毎日飲むのは効果的です。

脳老化の防止

コーヒーは脳にも良い効果があるとされており、その中の一つが脳卒中の防止です。

脳卒中は脳内の血管が詰まったり破れたりすることで脳に障害を与える病気です。
コーヒーは「糖尿病を予防」し「動脈効果を予防」するというのはもちろん脳内でも同じことが言えるわけです。
実際にコーヒーを3杯ほど飲んでいる人は脳卒中の発症リスクが20%弱低下したという研究結果があります。

ただし、脳への作用というのは専門家によって見解が分かれるようなので、単に脳にも良いとだけ言えるわけではないようです。コーヒーへの研究もまだ道半ばと言うことですね。

肝機能の強化

コーヒーは肝機能の数値を改善させほとんど全ての肝機能障害に対して改善の効果があることがわかっています。

肝機能の数値に異常があるというが健康診断でようやく気づいたなんて話がありますが、これは肝臓が痛みがないままに何かしらの病気が進行することがあるためだったります。このようなこともあり「沈黙の臓器」と言われています。

特にコーヒーは「肝硬変」の防止に効果があります。

肝硬変というのはその名の通り肝臓が硬くなってしまう病気のことです。肝臓の細胞に炎症ができるとその部分を補うように線維化という現象が起きます。これが進行することで健常な肝細胞が減少してしまい肝機能の低下につながるというわけです。

これを防止できるということはそれに伴う肝不全から肝臓ガンの発症も防ぐことに繋がるため、コーヒーは肝臓における万能薬とも言えます。

記憶力向上

実はコーヒーは脳にも良い影響を与えてくれます。

2014年のジョンス・ホプキンス大学の研究にによると、勉強した後に200mgのカフェインを含むコーヒーを飲んでもらうグループと何も飲まないグループに分けて調査を行いました。

結果としては、飲まなかったグループと比較して、勉強した後に200mgのカフェインを含むコーヒーを飲んだグループは勉強していたことを翌日まで覚えている割合が高かったことが判明しました。

よく、眠気覚ましに勉強や仕事前にコーヒーを飲むことが多いかと思いますが、後に飲むと記憶が定着しやすくなるようです。

これはカフェインを含む紅茶などでも同様になります。

骨粗しょう症が進行する?

コーヒーの悪影響についても触れておきます。

その一つが骨に対する影響です。骨粗しょう症は骨密度が低下してスカスカの骨になってしまう病気です。

一般的に運動不足や喫煙、閉経後の女性ホルモン減少が原因になると言われていますが、このコーヒーに含まれているカフェインも影響を及ぼしているのではないか?と言われています。

そもそも骨はカルシウムやリン酸、マグネシウムなどのミネラルとタンパク質で構成されています。

これらの栄養素を体外から取り入れる必要があるのですが、このカフェインはカルシウムの吸収を抑える働きを持っています。そのため、コーヒーを飲むとカルシウムの吸収効率が悪くなり骨が弱くなるんじゃないか?という事です。

ただ、最近の研究ではコーヒーを飲んでいる人の方が骨粗しょう症のリスクが36%も低下したとの結果も出ているので、ここについても見解が分かれる点と思っています。

日々の生活にコーヒーを取り入れてみてください

ということでいかがだったでしょうか。

上記で記載したのはほんの一部で、実際はコーヒーには1000を超える成分が含まれており他にも良い影響がある非常に素晴らしい飲み物です。

とは言っても飲みまくれば良いというわけでもありません。

適量は1日に3杯程度と言われているので、適切に摂取して日々の健康ライフに生かしていくことが良いかと思います。

では良いコーヒーライフを!

参考文献

  1. health.gov. 『2015-2020 Dietary Guidelines for Americans』
    https://health.gov/sites/default/files/2019-09/2015-2020_Dietary_Guidelines.pdf
  2. 和泉 眞喜子, 高屋 むつ子. "コーヒーの味に及ぼす抽出条件およびクロロゲン酸量の影響". vol.41, no.4, pp.257-261, 2008-08-20
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/41/4/41_257/_article/-char/ja/
  3. Daniel Borota , Elizabeth Murray , Gizem Keceli , Allen Chang , Joseph M Watabe , Maria Ly , John P Toscano , Michael A Yassa. "Post-study caffeine administration enhances memory consolidation in humans". Nat Neurosci. 2014 Feb;17(2):201-3.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24413697/

【スーパーフード】コーヒーは体に良いのか?栄養素から読み解くコーヒの健康効果とは” に対して1件のコメントがあります。

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