今回は納豆がなぜ健康に良いのか、また選ぶ際の注意点について解説していこうと思います。
みなさんは朝食は何を食べていますか?忙しいビジネスパーソンは菓子パン一つで済ませてないですか?そんな方は明日の朝から納豆を食べることをおすすめします。
とは言っても納豆をただ勧めるだけでは食べる気にならないと思うので、納豆がどれだけ素晴らしい食品なのかをご説明しようと思います。
納豆は日本が誇るスーパーフードで海外でも注目され始めている発酵食品です。納豆なら何でも良いというわけではなくどれを選ぶかについて注意点もあるのでそのことにも触れます。
アンチエイジング効果がある
納豆はアンチエイジング効果があります。これは納豆に含まれているスペルミジンという成分によるものです。このスペルミジンというのはポリアミンと呼ばれるタンパク質の一種です。
このスペルミジンがなぜアンチエイジングにつながるかというとあの「オートファジー」を誘導するためです。
簡単に言うとオートファジーとは細胞内の古くなったタンパク質が分解され、新しくなる機能のことです。
そもそもですが、老化の一つの原因は細胞が壊れたり古くなる事に起因します。その一つの原因が「活性酸素による酸化」です。この活性酸素は細胞内に数千と常在する「ミトコンドリア」によって生成されています。特に細胞が古くなりミトコンドリア自体が古くなるとこの活性酸素の生成量が増えるため、老化が促進してしまいます。また日々の生活で古くなった細胞内のタンパク質は体外に排出されるのですが、年齢を重ねるにつれて体外に排出されずに細胞内に溜まっていってしまい、これも病気や老化の原因となっています。
ということでこの老化を防いでくれるオートファジーを誘導するスペルミジンという成分が納豆は特に多く含まれているんです!若い身体を維持したい人は確実に食べた方が良いでしょう。また、スペルミジンはこれといった副作用もなくマイナス面もないため最強成分の一つです。[1]
動脈硬化や心筋梗塞の予防になる
納豆は動脈硬化や心筋梗塞の予防になります。先ほどのオートファジーによる効果もありますが、ここでは納豆に含まれているビタミンKが大事な働きをしてくれます。
サプリでもビタミンKはあまり見かけないため馴染みがないかもしれませんが、ビタミンKは血管の壁面(動脈壁)からこびりついているカルシウムを抜き取る働きをしてくれます。このようにカルシウムの沈着を起こしづらくなることで血管が固くなってしまう動脈硬化を予防してくれるというわけです。
加えて納豆菌が作り出す酵素である納豆キナーゼは消化管から血液中に取り込まれて血栓ができてしまうことの予防になります。
つまり納豆は血管が硬くなることを予防し血液をサラサラにしてくれるため上記のような動脈硬化や心筋梗塞の予防につながるというわけなんです。
骨を丈夫にしてくれる
これもビタミンKによる恩恵です。先ほども言った通りビタミンかは血管の壁面にこびりついたカルシウムを抜き取ってくれます。またこのカルシウムを骨まで移動させるという働きも持っています。
そのため納豆をよく食べる東日本の人は西日本に住む人に比べて血中ビタミンK濃度が高く、骨粗鬆症になりにくいと言われています。
腸内環境が改善して感染症の予防になる
これは納豆菌による効果です。そもそもですが納豆は煮た大豆に納豆菌を加えると、発酵の過程でたんぱく質を分解しておいしさの成分アミノ酸を生成し、納豆が完成します。ついでに、納豆菌にはいくつかの種類があり、それによって粘り具合や味、匂いが変わってきます。
この納豆菌は微生物の中でも最強の繁殖力を持っており、胃酸に負けることなく生きたまま腸内にたどり着き、もともといる善玉菌を活性化させ、悪玉菌を抑制して腸内環境を改善してくれます。
また「ベロ毒素」と呼ばれる強い毒素を放出して腸管が水分を吸収できなくしたり血管を破壊したりする腸管出血性大腸菌(EHEC)の増殖を抑えてくれる働きもあります。
このように腸内環境を改善してくれて感染症も防止してくれるのですから食べないわけにはいきませんね。
納豆を選ぶ時の注意点
納豆が健康に良いことは上記で理解できたかと思います。ここでは納豆を選ぶ(買う)時の注意点についてご説明します。
それは体に悪い食品添加物が入っているか入っていないかという点です。
食品添加物には下記のような過剰に摂取すると悪影響のあるリンが含まれていたり、発がん性、腸内環境悪化など健康被害が少なからずある成分です。一方で下記のようなありがたい役割を果たしてくれてはいます。
- 食品の品質低下(腐敗したり、変質したりするのを)防ぐ。
- 食品の外観(見た目)や、味や香りなどをよくして、食品の品質を向上させる。
- 食品の栄養価を高める。
- 食品の製造、加工に必要。
しかしながら食品添加物はあまり体に良いといったものではないので極力避けるべきでしょう。これはスーパーで売っている納豆でも同じことが言えます。
では納豆のどこに食品添加物が使われているかというとたれとからしです。
市販の納豆のたれには通常、アミノ酸などの調味料とビタミンB1がよく添加されています。L-グルタミン酸Naというのは味の素などでも使われているうま味調味料なのですが、こちらは一般に安全と認められる物質なので問題はないです。[2]どちらかというと問題はビタミンB1の方です。ビタミンB1というのは別名チアミンとも呼びますが、実際に食品で使用されているのはその類似物質です。その類似物質がおそらく防腐効果のあるチアミンラウリル硫酸塩の可能性が高く、このチアミンラウリル硫酸塩は一定の毒性があることがラットを使った前臨床試験で判明しています。
グルタミン酸ナトリウムの安全性について:https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/keyword/aji.html
そのため納豆のたれは有機栽培された大豆や小麦を原料に製造された有機しょうゆを用いているもの、無添加のたれ・からしを使っていると表記されているものを選びましょう
最後に
という事で今回のまとめです。
ぜひ毎日の朝食にスーパーフードである納豆を取り入れてみましょう!
参考文献
- Rafael de Cabo , Didac Carmona-Gutierrez , Michel Bernier , Michael N Hall , Frank Madeo. "The search for antiaging interventions: from elixirs to fasting regimens". Cell. 2014 Jun 19;157(7):1515-26.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24949965/ - 味の素. 『Q. 味の素®の原材料は何?製法は?安全なの?』
https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/keyword/aji.html