今回はカップ麺を選ぶときの注意点について解説していこうと重います。
こんな人に向けて書いています
- カップ麺は食べたいけど健康にも一応気を遣いたい人
- 時間がなくてついカップ麺を選択してしまう人
- カップ麺が健康に悪い理由を知りたい人
時間がない人や腹をとりあえず満たしたい人が食べる事が多いカップ麺ですが、何となく健康に悪い印象を持っているのは共通認識かと思います。実はカップ麺と一括りにしても特に健康に悪いものと比較的マシなもので分けることができます。
その違いは何なのか、スーパーで買うときにどこに着目すれば良いのかについてについて一つ例を元に説明していこうと思います。大まかに分けて3つです。
今回は下記の原材料を使用している食品を参考にします。
油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、たん白加水分解物、香辛料)、かやく(味付豚ミンチ、味付卵、味付えび、味付豚肉、ねぎ)、スープ(糖類、粉末しょうゆ、食塩、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、ポーク調味料、メンマパウダー)/加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、カラメル色素、かんすい、増粘多糖類、カロチノイド色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、くん液、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)
https://www.nissin.com/jp/products/items/9735
カップ麺の食品原料
食品原料というのは上記の原材料の「/」で分けられている前の記載箇所が該当します。
ここで着目するのは麺が「油揚げめん」か「めん(ノンフライ)」かという点です。
油揚げめんは名の通り、めんを油で揚げているものになります。油は植物性の油を使うことが多いのですが、高温でめんを揚げると脂質か加熱されて過酸化脂質という物質が発生します。これは血管内に付着して動脈硬化の原因になったり、皮膚細胞に作用してしみやしわを作ったりする健康被害のある物質です。
過酸化脂質が生成されるパターンというのは上記のような高温処理をした場合と空気に触れて放置することによる酸化です。即席麺やカップ麺の油揚げめんはどちらの条件も満たしてしまっているので特に過酸化脂質が多い食品になりがちです。
そのため、まず初めに「めん(ノンフライ)」であるかを確認しましょう。油揚げめんと比較して過酸化脂質の量は少ないと考えられます。
あと、見慣れない食品原料で「たん白加水分解物」というものがあります。添加物のような名前ですがこれは味付けの目的で使用されているものでタンパク質を分解して生成されたものです。普段食べている豆類や肉類のタンパク質を使っているので食品原料に分類されます。
分解するには2パターンあって酵素を使うパターンか塩酸を使うパターンがあります。塩酸を使うパターンの場合、分解の副産物として塩化化合物が生成されるのでこれが問題になるんじゃないかという事が言われています。
が、個人的にはこのような加水分解は胃袋にタンパク質を取り込んで胃酸で消化する場合も同様に塩化化合物が生成されるので、微量であればそこまで気にしなくて良いのではないかなと思ってます。
ついでに原材料というのは含有量が多い順に記載されています。なのでたん白加水分解物はそこまで多くないです。
カップ麺の添加物
食品によっては無添加を売りにするくらい添加物はものによって健康に悪影響を与えてしまう可能性のあるものも多く存在します。添加物の役割や影響についてはこちらで解説しているのでぜひ確認してみてください。
それでは添加物の中でも注意すべきものをピックアップしていきます。
加工でん粉 △
加工でん粉を添加する目的は粘り気を持たせたり、デンプンの劣化防止です。
加工でん粉は酸化デンプンやリン酸化デンプンなど11種類のいづれかを使用された場合に「加工でん粉」と表記されます。食品安全委員会によると「添加物として適切に使用される場合については安全性に懸念はないと考えられる」と名言しています。
が、リン酸化合物を使用している場合もあるので、摂りすぎによって血中リン酸濃度が上がり、カルシウムの吸収効率が低下したり、血中での石灰化による動脈硬化などの影響はあります。
調味料(アミノ酸等) ○
調味料(アミノ酸等)を添加する目的はうま味成分の向上です。
これはL-グルタミン酸Naをメインとした成分です。このL-グルタミン酸Naは昆布に多く含まれている成分で、サトウキビから取れる糖やデンプンを発酵させることで生成されます。動物実験では特に毒性が見られていないので問題はないとされています。
炭酸Ca ○
炭酸Caを添加する目的は食品を柔らかくして食感や風味を良くするためです。
カルシウムと言われているように骨や卵の殻に含まれている成分で体内に取り込まれることによる健康被害はないとされています。
カラメル色素 △~×
カラメル色素を添加する目的は着色です。
カラメル色素と表記がありますが、カラメル色素Ⅰ〜Ⅳと全部で4種類あります。カラメル色素Ⅲとカラメル色素Ⅳには原料にアンモニウム化合物が使われており、この色素の製造過程の熱処理で発がん性物質に変化するため、注意が必要です。ただしカラメル色素ⅠとⅡにはアンモニウム化合物は含まれていないため、問題はありません。
かんすい △
かんすいを添加する目的はラーメンの独特の風味や色合いを出すことです。
原料は炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの16種類の中から1種類以上を使われる場合はかんすいと表記されます。全般的に毒性は低いのでそこまで気にする必要はありませんが胸焼けを起こすこともあります。
増粘多糖類 △
増粘多糖類を添加する目的は食品の粘り気や接着性を高めるためです。
植物や海藻、細菌から抽出されることが多くペクチン・キサンタンガムなど30種類以上の成分が対象です。この中の1品目が使用されている場合はその成分が明記されるのですが、2品目以上の場合は「増粘多糖類」と表記されます。特に毒性の強いものはないと言われています。
カロチノイド色素 〇
カロチノイド色素を添加する目的は着色です。
カロチノイドは自然界に存在する動植物の黄、だいだい、赤を示す色素の総称でトマト色素、パプリカ色素、β-カロチンなどの種類があります。実は人の血液にも20種類ほどのカロチノイドが含まれており、安全性については殆ど問題ないと考えてよいです。
乳化剤 △
乳化剤を添加する目的は水と油など混ざりにくい液体を混ざりやすくする事です。
乳化剤はグリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸がエステル結合したものとポリソルベート20、ポリソルベート60といったポリソルベート類ものがあります。前者は食品にもともと含まれている・それに近い成分で問題はありません。
一方でポリソルベート類については安全性に問題があります。これらは動物実験の結果から発がん性が確認されています。
このほかにも大豆・卵黄などから得られたレシチンといったものがありますがこれは安全性に問題ないです。
酸化防止剤(ビタミンE) 〇
酸化防止剤を添加する目的は自らが酸化することで食品の酸化して変質するのを防止してくれる事です。
ビタミンEは植物油などに多く含まれている成分であり、科学的に合成されたものや植物から抽出されたものが使用されているため、特に安全性に問題はないです。
香辛料抽出物 〇
香辛料抽出物を添加する目的は風味を付けたり、強くしたりするために使用します。
コショウやサンショウなどの香辛味成分を水やアルコール等で抽出したものなので特に安全性に問題はないです。
くん液 ×
くん液を添加する目的は燻した場合と同じ香りや色を付ける事です。
サトウキビ、竹、トウモロコシ、または木材を燃焼して発生したガス成分を捕集し、または乾溜して得られた煙を冷却して採取する液体でビーフジャーキーなどでよく使われています。別名スモークフレーバーと呼ばれています。そもそも燻製はその過程でベンゾピレンという発がん性の物質が生成されるのであまり健康に良いとは言えません。
香料 △
香料を添加する目的は食品に香りと味の一部を付与する事です。
この香料というのは非常に判断が難しい添加物です。というのも合成系160種、天然系600種もあり、それらを組み合わせて香りや味を作っています。この組み合わせについては公開する必要がないため、毒性があるのか不透明という事があります。中には毒性の強いものもあり、サリチル酸メチルは動物実験でえさの2%をこのサリチル酸メチルに置き換えたことで49週間で全滅してしまったという研究結果もあります。
ビタミンB2 〇
ビタミンB2を添加する目的は栄養強化もしくは着色です。
今回の場合の表記だとわかりませんが、着色料(ビタミンB2)といった表記のビタミンB2は黄色系の着色料として使用されます。他にもリボフラビンやカロテンと表記されていることもあります。いわゆる合成着色料ですが、大きな健康被害が出るといった研究は見当たらないのでこちらも安全性に問題はないと言ってよいかと思います。
ビタミンB1 △
ビタミンB1を添加する目的は栄養強化もしくは防腐です。
ビタミンB1というのは別名チアミンとも呼びますが、実際に食品で使用されているのはその類似物質です。その類似物質がおそらく防腐効果のあるチアミンラウリル硫酸塩の可能性が高く、このチアミンラウリル硫酸塩は一定の毒性があることがラットを使った前臨床試験で判明しています。
酸味料 〇
酸味料を添加する目的は食品に酸味の付与と細菌繁殖防止をするためです。
酸味料酸味料はクエン酸や乳酸、酢酸などの酸を添加することが多いです。25種類ほどありますが、毒性が強いものは特にないですが、一度に大量に使用するとph値が低くなり酸性が強くなってしまうため、胃や腸の粘膜を刺激することがあります。特に安全性に問題はないです。
カップ麺の塩分量
カップラーメンというとなんといっても塩分が多すぎる問題です。
食塩相当量 | 4.9g めん・かやく: 2.4g スープ: 2.5g |
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スープも含めるとなんと4.9gもの食塩を含んでいます。これは濃い味を保つためにはどのカップ麺も避けては通れない量です。
1日の塩分摂取量の目安は男性7.5g未満、女性6.5g未満なのでカップ麺1個食べるだけで1日の大半の塩分量を摂取してしまうことになります。塩分を摂りすぎると血液中のナトリウム濃度が高くなり、浸透圧を一定に保とうとするために血液量が増えます。 その結果、血管壁にかかる負担が大きくなり、血圧が上がり血管を傷つけて様々な血管系の病気につながってしまいます。
そのため、少なくともスープを飲み干すなんてことは避けましょう・・・!
序にお酒を飲んだ後に締めでラーメンを食べたくなるのは、アルコールの利尿効果で水分と一緒に塩分が排出され、血液中のナトリウム濃度が低くなってしまうため、脳が塩分を欲するように働きかけるためだったりします。
最後に
最後に今回のまとめです。
正直なところ、健康に良い食品ではないので積極的に避けた方が良いです。一方でお湯を注ぐだけで出来上がるため、忙しい人にとっては重宝されていることかと思います。少しでも健康被害を抑えるため、上記のような点に注意してカップ麺を選ぶようにしましょう。
参考文献
- 文部科学省. 『食品成分データベース』
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl - 第35回企画専門調査会. 『(平成22年度)食品安全委員会が自ら行う食品健康影響評価の案件候補について』
https://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/hyoka_70.pdf
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