今回はサウナの健康への効果と初心者のための正しい「ととのえ方」について解説していこうと思います。

この記事はこんな人に向けて書いています

  • サウナの正しいととのえ方を知りたい人
  • サウナの健康への効果を知りたい人
  • これからサウナーになりたいサウナ初心者

最近、コロナの影響で運動不足になっていることも相改まって健康への意識を持つようになり、運動をするようになった人が多いかと思います。ランニングしてみたり、筋トレしてみたり色々と試しているかと思いますがなかなか続かずに困っている人もいるかと思います。

また、忙しいビジネスパーソンは複数タスクと判断の連続で脳が疲弊してしまっており、安らぎを求めているのではないでしょうか。

「痩せたい」「リラックスしたい」「脳をスッキリさせたい」そんな人にはサウナを激しくオススメします。

サウナと聞くとおじさんが娯楽で楽しんでいるイメージがあるかもしれませんが、最近では「サ道」の影響もあって若者もサウナに行く人が増えています。これからサウナに行こうと思っている人や現役サウナーの人も再度健康への効果と「ととのえ方」を再確認して最高の「サ道」を歩みましょう!

サウナが健康に良い理由

サウナに行く前にどのような健康への効果があるのかを知っておくことで行きたいと思う気持ちは強くなると思うのでまずはそれについて説明していこうと思います。

脳の疲労がなくなり、頭がスッキリして集中しやすくなる

サウナに行けば実感すると思いますが、脳の疲労がなくなって頭がスッキリするという効果が1番大きい要素です。頭がスッキリすると言われると少しざっくりしすぎですが、しっかりと理由があります。

ここで重要となってくるのが、DMNとCENと呼ばれるものです。

まず、DMN(Default Mode Network)というのは頭がぼーっとしている間も無意識のうちに機能してしまっている脳回路のことです。いわば脳のアイドリング状態です。実はこのDMNが通常時で脳のエネルギーの70%〜80%を消費していることが分かっています。つまり、私たちが何か物事を集中して取り組んだりしている際に消費しているエネルギーというのは全体のほんの一部ことです。これが原因でなかなか疲れが取れない、体がだるいと感じるわけです。

何かに集中していない時にぼーっとしていても何か思い浮かんだりすることはありませんでしょうか?特に多いのが自分の内なる情報に意識が向くことです。仕事のことや人間関係での悩み事、過去の辛い経験など、考えようと思ってなくても何となくふと思った瞬間に頭に思い浮かぶ経験は誰でもあるかと思います。これらはDMNによって引き起こされています。

一方でCEN(Central Executive Network)というのは対比的に集中して何か物事を行なっているときに機能している脳回路のことです。CENが活性化していると自分の内にある情報よりも外部にある物事、たとえば資料作成やゲーム、スポーツなどに集中することができます。

ここまで読めばわかるかと思いますが、理想はDMNを減らしてCENは維持もしくは向上させることです。DMNとCENはどちらか片方しか活性かすることができないため、必然とCENを活性化させる必要が出てきます。

サウナにはこのDMNの活性化を抑止する効果があります。これは過酷な環境下に身を置くことでDMNの特徴である雑念を考えてしまうということを取り払うことができるためです。

サウナには複数の種類がありますが、フィンランド式サウナであれば相対湿度20%以上で100度近い空気に包まれている空間です。普段そのような環境下にいない体が急にそのような過酷な環境下に身を置くと、生存本能が働き交換神経が活性化することで今の環境にどのように対処すれば良いかに集中します。つまりサウナ室にいると雑念を強制的にシャットアウトすることができ、DMNの活性化を断ち切ることができます。これによって脳がスッキリし、CENが活性化するため集中する脳に切り替えることができます。

睡眠の質を上げ、日中の眠気がなくなる

日本人は特に睡眠不足が前から問題になっていました。ただ、世間で取り上げられているのは睡眠時間だけで睡眠の質には着目していません。睡眠不足といっても一概に睡眠時間が短いだけというわけではなく、眠りが浅いであったり寝る時間が日によって大きく異なるなど様々あります。

実はサウナに入るとこの短時間で深い睡眠を得ることができるようになり、日中の眠気がなくなるという効果があります。

これには体温変化による影響が大きいとされています。ここで重要になってくるのが深部体温と抹消体温です。

そもそも眠くなる一つの理由に抹消体温が深部体温より高くなり、その体温差が大きくなるほど人は眠くなるということがあります。なので、布団に入って時間が経ってくると眠くなるのは、重力で戻りにくくなっていた手や足などの抹消の血液が体の中心に戻って熱を奪っていくことでその体温差が大きくなるためです。

実はサウナに入ると同じようなことが起きます。100度近いサウナに10分ほど入っていると深部体温は0.6度ほど上昇しますが、サウナ室から出ると少しずつ下がっていきます。一方で、手や足などの抹消については外気浴によって血流が増加します。これによって先程のように深部の熱を抹消が奪っていくという同様の状態を再現しているためではないかということです。

実際にサウナに入った日と入っていない日を比べてみるとサウナに入った日はそうでない日と比べて約2倍も深い睡眠が増加したとの研究も出ています。これで睡眠時間を取れない多忙な人も睡眠の質を上げることで日中の眠気を解消することができます。

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚が活性化

サウナには五感の感覚回復にも効果があります。ここで関係してくるのが前頭葉の活性化です。

前頭葉というのは一般的に人格や知能、理性、言語能力、運動能力などの感覚や認識・情報の分析を行う領域で右側については空間把握や想像力、感覚を働かせる時に活性化し、左側は計算や論理的な思考をする時に活性化します。(ただし左効きの人は左右逆になります。)

サウナに入った後にこの前頭葉の波形を観測したときに右側前頭葉の活動が活発化していることが分かっています。右側前頭葉が活発化しているということはそれに付随して空間把握や想像力、感覚を司る領域が活発になっているといえます。

例えば味覚については、サウナ飯と呼ばれるようにサウナ後の食事が美味しく感じるのはこのような理由があります。また、味覚が鋭くなることで薄味でも十分に味を感じることができるため、味が濃くて重いものは食べたくなくなるため、自ずと健康に良い食事を選ぶようになるのも付随効果として挙げられます。

他にも触覚や聴覚も鋭くなっているため、外気浴をしているときに感じる空気の肌触りや周囲の物音などサウナに入る前には気づかなかった事に気がつくようになります。

肩こり・腰痛・眼精疲労が和らぐ

長時間のデスクワークで腰や肩が凝っていたり、眼精疲労が溜まっていたりと肉体的な疲労に襲われることもあるかと思います。サウナには①で挙げた脳の疲労解消以外にも肩こり・腰痛・眼精疲労にも効果があります。

一つは温泉と同様で温熱効果によって凝り固まった筋肉が解れて血流の改善があるためです。血液には熱を運ぶ以外にも栄養や水分、酸素を運ぶといった事以外に不要な成分を回収するといった働きがあります。これによって血流の悪くなりやすい肩や腰の筋肉を疲弊させる乳酸などの物質を回収してスッキリさせてくれます。

上記は入浴でも同様の効果が得られますが、サウナの場合は心臓の心拍数が通常の2倍以上になり、血液を送り出すポンプの機能が70%向上するため、より効果が得られやすいのはやはりサウナになります。

肌が綺麗になり、太りづらくなる

ボディメイクをしたい人、モテたい人に朗報です。サウナは見た目を良くするという効果もあります。

ビジネス・恋愛などのシーンで外見が一つの判断材料になっていることはメラビアンの法則からも知られています。(初対面の人の印象は視覚情報が55%占めるというもの)肌を綺麗にするために食事に気をつけて保湿を徹底的に行ったり、太らないように食事や運動に気をつけている人はぜひ「サウナに行く」を追加してみてください。

まず肌が綺麗になる理由については2つあります。1つは発汗と血行が良くなることで肌の新陳代謝が促進されるためです。ついでにこれは入浴でも同じ効果は得られます。2つ目がHSP70発現による細胞の修復です。HSP(Heat Shock Protein)70とは外部から強い熱ストレスが掛かった際に細胞を保護するためのタンパク質のことです。このタンパク質は紫外線や活性酸素などによってダメージを受けた細胞を修復するはたきを持っています。HSPは外部からの熱ストレスが強いほど発現する量が増えます。お風呂や岩盤浴では顔の肌の温度が上がりづらいため、HSPの発現量は非常に少ないのに対してサウナでは全身を空気であたためるため漏れなく全身にHSPを発現させることができます。

次に痩せ体質になるということですが、これは甲状腺ホルモンの分泌が増えて新陳代謝が向上するためです。そもそも甲状腺というのは喉仏の下にある蝶のような形をした臓器です。この臓器は交感神経を活性化させるという役割と代謝を活性化させるという役割があります。つまり、サウナに入ることでこの甲状腺のホルモン分泌が増えることで代謝が活性化して太りづらい体質になるということです。

もちろんサウナに入るだけで肌が綺麗になって太らないというわけではないので、食事・運動などの最低限のケアは並行して行いましょう。

初心者のための「ととのえ方」

実際に健康効果を増進させるための「ととのえ方」について解説していこうと思います。

そもそもですが、「ととのえる」にはサウナ室に入って数分いれば終わり、というわけではないですよね。サウナで上記で説明した健康効果を増進させるためには下記をセットにして行うことが必要になります。また1セットだけでなく1回で2〜3セット行うとより効果的です。

サウナ→水風呂→外気浴

これを一連の流れで行うことでととのいます。とは言っても何となくサウナに数分間入って水風呂入って外気浴するだけでは高い効果は見込めません。そのため初心者の方は各フェーズで下記のことを意識してみると良いでしょう。

サウナ

まず、サウナの種類についてですが、下記のような様々な様式のサウナがあります。

サウナの種類

  • ドライサウナ:70〜100度のものが多い。比較的温度が高く湿度が低いのが特徴
  • フィンランド式サウナ:温度は80〜90度で湿度は高め
  • ミストサウナ:50〜60度のものが多く、高温サウナが苦手な人にはおすすめ
  • 塩サウナ:50度程度のものが多く、体に塩を塗って皮膚からの発汗を引き出すのが特徴
  • スモークサウナ:サウナ室でストーブ釜を使ってサウナストーンと室内をあたためる。日本では滅多にない

効率良く健康効果を引き出せるかつ普及率が高いのはフィンランド式サウナです。フィンランド式サウナはウェットサウナ(湿度が比較的高いサウナ)の中でも高温の部類なので、ある一定以上の負荷をかけることが出来るため恩恵は大きくなります。ドライサウナも同様に高温サウナではありますが目や皮膚が乾燥しやすく、熱伝導率が低いため高温の割に体が温まりづらいです。フィンランド式サウナは初心者の方にとっては初めは少しきついと感じるかもしれませんが乗り越えれば最高の体調を手に入れることができるのでぜひこのフィンランド式サウナを選びましょう。

それでは具体的にどのように入るかということについてですが、先ずはサウナにどれくらいの時間いれば良いかということについてです。

時間や我慢できなくなったら等、あるかと思いますが、1番良いのは心拍数を目安に決めるというのがあります。というのも前者はどちらも自分の体調や自律神経の状態をもとにしていないため、ととのい方にばらつきが生じやすくなります。一方で心拍数であれば自分の状態を基準として判断ができるためととのい方のばらつきが少なくなります。

どれくらいの心拍数まで居続けるのかというのは基本的に自分で決めるのが良いですが私の場合、その日の安静時心拍数の2倍(大体150くらい)を超えたらサウナ室を出るとしています。というのもランニングなどの運動による負荷がそれくらいなので、それ以上にしてしまうと心血管系に負荷が掛かり過ぎてしまうためであるという点とサウナ滞在時間の平均である10分程度でその心拍数になるということからこのように決めています。ここは人によって異なるので自分なりの基準を試行錯誤する中で決めていきましょう。ただ、初めのうちは無理をせず時間切り(6〜8分)で少しづつ調整することをおすすめします。

また、サウナ室は座る場所によって温度が異なる設計になっています。サウナは階段状の設計になっていることが大半ですが、およそ1段上がるごとに10度ほど高温になることがわかっています。サウナ室の温度計は基本天井近くに設置されており、私たちが座っている位置はそれより下である場合が多いため、表示されている温度よりも実際には少し低い温度になります。初めのうちは下の段でサウナに慣れることから始めるのが良いかと思います。

STEP
1

水風呂

サウナ室を出て汗を流したら水風呂です。正直私は初めのうちはサウナよりも水風呂が過酷でしたが、「ととのう」には超重要なので避けては通れません。

水風呂はサウナのように10分はいる必要はなく1分程度入り、呼吸をすると肺や気道がスースーするような感覚になれば十分です。

水風呂は入り方にいくつか注意点があるので押さえておきましょう。

その1:心臓に負荷をかけないような入り方をする
80度前後のサウナの後に10数度の水風呂に急に入るとヒートショックを起こす可能性もあるくらい急激な血圧上昇の起きるため心臓に大きな負荷がかかってしまいます。そのため、心臓に負荷がかからないような入り方を心がけましょう。具体的には汗を流す際にぬるいシャワーを浴びる、水風呂の水を汲んで体に軽くかけながす、息を吐きながら入る。という方法があります。どれも急激な血圧の変化を防ぐための方法なので取り入れてみてください。

その2:水風呂ではじっとする
プールで経験があるかと思いますが、入る瞬間は冷たく感じますが入っているうちに大したことはないと感じると思います。あの現象は水風呂でも起きます。水風呂の中でじっとしていると皮膚の表面と水の間に暖かい温度のそうができる「羽衣」と呼ばれている膜のようなものが発生します。これは体を動かしたり水流があると剥がれてしまうため、水風呂ではじっと待ってみましょう。水風呂で暴れると他の人の「羽衣」を剥がしてしまうことにもなってしまうのでこの点は配慮してあげましょう。

STEP
2

外気浴

最後の仕上げで外気浴です。水風呂から出たら素早く水分を拭き取りくつろげる場所に移動します。サウナがある施設には必ず「ととのい椅子」なるものがあります。これは外気浴をする人がくつろいで至福の時間を味わうための椅子です。基本的にはホリデーチェアと呼ばれる白い椅子なのですが、設備の良い銭湯であればインフィニティチェアといった足を伸ばせる椅子も用意されています。外気浴は気持ちよさが最優先なのでできるだけ横に慣れる椅子や場所をあらかじめ探しましょう。

先ほどまで過酷な環境下に身を置いていたこともあり交感神経が優位になりアドレナリンが大量に出ていた状態から一気に副交換神経が優位になります。

「ととのう」というのはこの興奮状態ででるアドレナリンが大量に出ている一方で自立神経は副交換神経が優位になっているという稀有な状態です。

この状態をできる限り味わうためにも水風呂から出た後のムーブが非常に大事です。というのもアドレナリンの血中半減期が2分程度なのでアドレナリンが残っている状態で副交感神経が優位という状態でいられる時間は長くないからです。そのため、水風呂から出たらどこで外気浴するかは導線を確認し狙いをあらかじめ定めておくとスムーズに外気浴に入れます。場所によっては混んでいて外気浴する場所が限られていることがあるので上記は意外と大事だったりします。

ここでの滞在時間の目安は私の場合足や手などの末端が冷えてきたと感じた、もしくは5〜10分ほど外気浴したらとしています。外気浴が終わったら水分補給をして次のセットに備えます。

STEP
3

まとめ

サウナは健康に良いのか? サウナの健康効果と正しい「ととのえ方」について解説

  • サウナの健康的な効果
       ①脳の疲労がなくなり、頭がスッキリして集中しやすくなる
       ②睡眠の質を上げ、日中の眠気がなくなる
       ③五感が敏感になる
       ④肩こり・腰痛・眼精疲労が和らぐ
       ⑤肌が綺麗になり、太りづらくなる
  • 正しい「ととのえ方」
       ①サウナ室:高温多湿のフィンランド式サウナで心拍が安静時の2倍になるまで入る。
             ※滞在時間の目安は10分前後
       ②水風呂:心臓に負荷を掛けない入り方をする。「羽衣」が取れないようにじっとして入る。
            ※滞在時間の目安は1分前後
       ③外気浴:最初の2分を意識して、できるだけ横になってくつろげる場所を見つける。
            ※滞在時間の目安は5〜10分(時期による)
  • 上記のセットを2〜3セット繰り返す
  • サウナのととのえ方は体調や人によって違うため、上記を元に自分にとって最も「ととのう」と思える基準を見つける。※ただし、体に負荷が掛かりすぎないように調整する。

今回はサウナの健康的な効果や「ととのえ方」について解説してきました。正しい「ととのえ方」を知っていればより高い効果を得る事ができますが、サウナで1番大事なのは自分自身が気持ちいと感じることだと思います。サウナに限りませんが気持ちいと感じると自律神経が活性化するため、ある程度の負荷を掛けてもしんどいと感じなくなり心から楽しむことができます。

サウナをこれから経験しようと思っている人、健康に気を使っている人はぜひ健康ライフにサウナを取り入れてみてください。

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