今回はタンパク質の基礎知識について解説していこうと思います。
この記事はこんな人に向けて書いています
- 筋トレを始めてタンパク質について意識するようになった人
- リバウンドしないためのダイエットのためのヒントを得たい人
- タンパク質とはそもそも何かを知りたい初学者
20代を過ぎて代謝が落ち始めてから太り始めてしまい、なんとかして痩せようと考えたことがある人は多いのではないのでしょうか。Youtubeの広告では「飲むだけで痩せる!」「着けるだけで痩せる!」などと謳っている商品に頼ってみたり、米などの糖質を制限して我慢しながらもなかなか痩せなかったという経験をしている人が多いように思います。
そのような間違ったダイエット方法は痩せないだけでなく、より太りやすくなる体を作ってしまっているのです。
そのような間違った考え方を払拭し、ダイエットをして理想の体を手に入れるためにどれほどタンパク質が重要かを説明していこうと思います!
タンパク質の基礎知識
それではタンパク質の基礎知識をいくつかの観点から見ていきましょう。
タンパク質の働き
タンパク質というのは、炭水化物(主に糖質)、脂質と並び「三大栄養素」の一つとして、人の生命活動に欠かせないエネルギー源です。
その中でもタンパク質は、筋肉をはじめとして、血管や内臓、皮膚や髪、爪などの体の大部分がタンパク質でできていることがわかっています。その総重量は人の体重の30%にも登ります(序でに60%は水分)。特に筋肉については80%がタンパク質によって作られています。
また、タンパク質はホルモン生成や酵素など体の機能を維持するための物質もタンパク質が材料になっていることがあります。さらに、三大栄養素と言われているようにタンパク質は糖質や脂質と同様に人間の生命活動のエネルギーとして消費されています。
タンパク質、ペプチド、アミノ酸の違い
健康を謳っている商品のパッケージに「必須アミノ酸OOmg配合」と記載されているものを見たことはありませんでしょうか。タンパク質とアミノ酸というのを別々に捉えてしまいがちですが、実はタンパク質はアミノ酸が結合されているものの事を指しています。ペプチドも同様にアミノ酸が複数結合されているものの事を指しています。厳密には50個以上のアミノ酸が結合されいるものをタンパク質、数個〜49個までのアミノ酸が結合されているものをペプチドと呼んでいるだけで、本質的にはどれもアミノ酸のことを指しています。
このアミノ酸というのは20種類ほどしかありませんが、その組み合わせで生成されているタンパク質というのはなんと10万種類以上あります。それぞれに機能が異なるタンパク質が体内で合成されることで生命活動の維持のために働いてくれていることになります。
アミノ酸の種類
前述の通り、アミノ酸は人体で生成できない非必須アミノ酸と、生成できる必須アミノ酸に大別されます。アミノ酸20種のうち、非必須アミノ酸は9種類、必須アミノ酸は11種類存在します。
非必須アミノ酸は「アラニン」「グルタミン」といったアミノ酸などが該当しますが、いづれも疲労回復や筋肉の合成に必要不可欠な役割を果たしているものばかり。糖質を材料に人体で生成できるため「非必須」と呼ばれていますが、健康維持の上では決して「非必須」というわけではないので注意しましょう。
一方の必須アミノ酸は「トリプトファン」「リジン」といったアミノ酸が該当しますがこれらは先ほどの非必須アミノ酸とは異なり、人体で生成することができないため、必ず食事で摂取してあげる必要があります。そのため「必須」と呼ばれています。
非必須アミノ酸 |
- アスパラギン:新陳代謝を向上させる。
- アスパラギン酸:疲労回復、持久力が向上する。エネルギー源として使用されやすい。
- アラニン:肝臓のエネルギー源として使用される。
- アルギニン:血管拡張作用があり、血流を良くする。成長ホルモンの合成の材料として使用される。
- グリシン:運動や感覚などの体の調整を行う。コラーゲンの30%はグリシンで構成されている。
- グルタミン:体に最も含まれているアミノ酸。胃腸の保護を行う。
- グルタミン酸:脳や神経の働きを助ける。疲労回復効果がある。味の素の旨味はこのグルタミン酸。
- システイン:毛の成分に多く含まれる 。黒いメラニンの発生を防ぐ。
- セリン:脳の神経細胞の材料になる。睡眠改善効果がある。
- チロシン:神経伝達物質のドーパミンやアドレナリンの材料になる。
- プロリン:皮膚の保湿効果がある。グルタミンさんからコラーゲンを作るための材料になる。
必須アミノ酸 |
- イソロイシン:筋肉を強化する。肝臓の働きをサポートする。
- スレオニン:脂肪肝(肝臓の30%以上が脂肪になってしまうこと)を防ぐ。酵素の活性部位を形成する。
- トリプトファン:神経伝達物質セロトニンの材料になる。免疫力を高める。
- バリン:筋肉を強化する。血中窒素濃度を調整する。
- ヒスチジン:神経機能の補助をする。一方でヒスタミン食中毒になる元でもある。
- フェニルアラニン:神経伝達物質ドーパミンの材料になる。血圧を上昇させる。
- メチオニン:抗うつ効果やヒスタミンの血中濃度低下を促す。
- リジン:体の成長を促す。細胞の修復に関与する。代謝促進や抗体の生成の材料になる。
- ロイシン:筋肉を強化する。肝臓の働きをサポートする。一方でとりすぎると免疫力低下につながる。
動物性タンパク質と植物性タンパク質とは
食事から摂取できるタンパク質には大きく分けて肉や魚などに含まれている「動物性タンパク質」と穀物や豆類に含まれる「植物性タンパク質」の2種類があります。どちらもタンパク質ではありますが、それぞれ体内での効果特性は異なっています。
まず動物性タンパク質の特徴としては体に必要なアミノ酸をバランスよく含んでいるということです。特に必須アミノ酸の含有量が植物性タンパク質に比べて多い食品が多く、筋肉や組織細胞の材料となるタンパク質を多く摂ることができます。動物性タンパク質は鶏むね肉や牛ヒレ肉、卵、牛乳、マグロやカツオなどの食品に多く含まれています。
一方で植物性タンパク質は、脂質が少ないという特徴があります。脂肪の燃焼を助ける効果が高いため、女性のダイエットで好まれているのは植物性タンパク質のプロテイン(ソイプロテインなど)が多い傾向にあります。植物性タンパク質は豆腐、納豆、蕎麦などが挙げられます。また、食物繊維も多く含まれている食品が多いため、整腸効果も期待されます。
動物性タンパク質
- 筋肉や組織細胞の材料となるタンパク質を多く含む。
- 鶏むね肉や卵、牛乳、マグロに多く含まれる。
植物性タンパク質
- 脂質が動物性タンパク質と比較して少ない。整腸効果もある食品も多い。
- 豆腐、納豆、蕎麦に多く含まれる。
最後に
最後にまとめです。
まとめ
- 筋肉をはじめとして、血管や内臓、皮膚や髪、爪などの体の大部分がタンパク質でできている。
- 三大栄養素と言われているようにタンパク質は糖質や脂質と同様に人間の生命活動のエネルギーとして消費される。(1gで4kcal)
- タンパク質はアミノ酸が50個以上結合されているものを指す。
- アミノ酸は人体で生成できない非必須アミノ酸(11種類)と、生成できる必須アミノ酸(9種類)がある。
- タンパク質には「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」があり、それぞれ体内での働きに違いがある。
ダイエットに取り組まれている方の多くは糖質や脂質の制限に目がいってしまい、「何を食べないか」ということを考えるかと思いますが、「何を食べるのか」というのも合わせて考えて食事を調整することでより健康的で活力のある体を手に入れることができるのでぜひタンパク質を意識してみてください!