最近腸活が流行っているので、食物繊維を多く含む食材を知りたい
また、なんで食物繊維が健康に良いのかについても知りたい

今回はこのような悩みに応えていこうと思います。

食物繊維の摂取量と死亡率の関係

食物繊維は糖質、脂質、タンパク質に対して腸で吸収されることはないため、人のエネルギー源となるものではありませんが、健康を維持する上では非常に重要な役割を担っています。

国立がん研究センターが行なった調査によると、45歳〜74歳の日本人約9万人を対象として平均17年もの追跡調査を行なったところ、食物繊維の摂取量が増えるほど、総死亡率、がん死亡率、循環器疾患死亡率が20%近く下がることがわかっています。1)

また、食物繊維の供給源別では、「豆類」「野菜」「果物」からの摂取量が多いほど、総死亡リスクは下がることも示唆されています。

現代人は食物繊維が不足しがちな理由

また、2020年に発表した厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、成人の食物繊維の1日の摂取目標量は男性21g、女性18g以上としているのに対して、20~50代の男性の1日の摂取量は18g、女性は16gほど不足しているのが現状です。2)

実は、昔の人は今よりも食物繊維を多く摂っていたと言われています。現代人の食物繊維摂取が減った大きな要因の一つとしては主食として穀物を食べなくなったことが挙げられます。

1995年ごろは食物繊維の半分を穀物から摂っていましたが、2019年には2割まで減っていることが日本食物繊維研究会誌で示されています。

食物繊維と聞くと根菜類などの野菜やワカメなどの海藻類をイメージしがちですが、実はそれらは水分量が多いため、穀物の方が100gあたりの食物繊維は多い傾向にあります。

食物繊維と腸内環境の関係

人間の腸管を薄く多く粘膜層には、40兆個と数百種類を超える腸内細菌が、住み着いていると言われています。

これらの腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」という3つに大別されています。

巷でよく言われている「ビフィズス菌」や乳酸菌の一種である「フェーカリス菌」などがいわゆる「善玉菌」です。ビフィズス菌は主に大腸に常在しており、乳酸や酢酸を生成して腸内環境のバランスを保っています。また腸内を適度に刺激することで腸内運動を活発化するから働きがあったりします。

また腸内細菌は便に混ざって体外に排出されているので、ずっと残り続けるということはありません。ただ減少するだけでは腸内細菌はいなくなってしまうので日々増殖を繰り返し続けないといけないわけですが、そこで必要になってくるのが食物繊維になります。

そもそもですが、食物繊維というのは人が持つ消化酵素では消化することができない成分です。消化されずに小腸を通り、大腸まで届くと、そこで腸内細菌の栄養となり、増殖を助けてくれます。実際は、腸内細菌が食物繊維を発酵して有益な物質を作ることによって増殖をしています。

食物繊維量ランキング

ぜひ腸活の参考にしてください

以上、食物繊維の役割や健康との関係、食物繊維を多く含む食品でした。

食物繊維が働くのは主に腸内に到達してからになります。腸活を行なっている人は食物繊維を意識して摂取している方もいるかと思いますが、腸活は他の方法ももちろんあります。特に腸活をこれから始めようと考えている方は下記もチェックしてみてください。

詳しくはこちら>>>【腸活のススメ】腸活をする前に知っておきたいこと4選

詳しくはこちら>>>【腸活のススメ】腸内環境が悪い時に起こる健康への悪影響とは

参考文献

  1. Ryoko Katagiri , Atsushi Goto , Norie Sawada , Taiki Yamaji , Motoki Iwasaki , Mitsuhiko Noda , Hiroyasu Iso , Shoichiro Tsugane. "Dietary fiber intake and total and cause-specific mortality: the Japan Public Health Center-based prospective study" Am J Clin Nutr. 2020 May 1;111(5):1027-1035.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31990973/
  2. 厚生労働省. 『日本人の食事摂取基準(2020 年版)』
    https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf