スマホの通知が気になってしまい、目の前のことに集中できない。何に対しても興味・関心が湧かず、熱中することができない。この無気力な状態をなんとか抜け出すための方法があれば知りたい
今回はこのような悩みに応えていこうと思います。
脳を強化して最大限活かすための方法
主体的に行動する
仕事で意思決定をする時、友人とどこに旅行に行くか決める時、ランチで食べるご飯を探す時、今日来ていく服を決める時、複数の要因を考慮して判断をします。
基礎代謝の20%近くのエネルギーを消費する脳は、このような意思決定をする度に大きなエネルギーを使います。
そのため、上司からの指示を受けた時、友人に旅行先を提案された時、実績があり信頼している人が言っている事を聞いた時、有名な著者が書いた本を読んだ時、つい自分の頭の中で深く考えずに、その通りに受け取ってしまうしてしまうことがあります。
情報をただひたすらに受け身で浴びていると脳が主体的に考える習慣がなくなるため、判断力が鈍り、思考する力が高まっていきません。
ポイントは脳を主体的に動かし、行動まで繋げることです。
脳を主体的に動かすとその物事に対して責任を持つことにつながります。責任を持つ意識がより良くするにはどうすれば良いのか、失敗したら次はどうすれば改善できるかを考えるきっかけになります。物事が成功しても失敗しても主体的に考えて行動することが脳の強化につながります。
心理学においてメラビアンの法則というものがあります。これはコミュニケーションにおいて相手に与える印象は視覚が55%、聴覚が38%、言語が7%という割合であることを証明した法則です。
つまり、人の印象というのは93%が話している内容以外で判断してしまっているということを示しています。
確かにお金持ちが「お金がなくて困っている」と言うのと、ニートが「お金がなくて困っている」と言うのでは、内容はどちらも同じですが、印象は少なからず異なってくるかと思います。どっちが良いというわけではありませんが、言葉以外の情報が印象や捉え方に影響を与えるは大きいことが分かるかと思います。
ただし、視覚情報や聴覚情報などの印象に影響を受けて、あんなに素晴らしい人が言ってたから正しいと思考停止することは避けましょう。
親や信頼している友人、恋人に言われると、もしかしたらそうなのではないかと思ってしまいがちですが、ここで自分なりに考えることで脳を強化するチャンスあります。
このような時は誰が言ったかではなく何を言ったのかに注目して考える癖をつけましょう。つい思考停止してしまいがちな時も一度立ち止まって言葉の意味を冷静に解釈するように心がけてみると、捉え方がわかってきます。
また、脳を強化するためには何事にも疑問を持つことが重要です。
疑問とは字の如く「疑いを問う」ことです。この人が言っていることは本当なのか、この研究結果が示していることに対する結論は正しいのか・拡大解釈していないか、常に疑問を持ち続けて自分なりの解答を持つようにすることが、自分の軸を太くし、脳をより強化する方法です。
具体的な事を求めすぎない
1つの番組が1時間以上あるテレビの時代と比較して、現代はYoutubeのShortsやTikTokなど1分もないショート動画の人気が増えてきている影響もあって、端的に何が言いたいのか、答えをすぐに知りたがる人が増加しているように感じます。
そういったものは具体的かつ端的で理解がしやすく、自分なりに噛み砕いて解釈する必要がないため気軽であるというメリットがあります。
一方で、動画は一定のペースでひたすら情報が流れるので受け身となりやすい媒体です。
考えながら進めようと思っていても次々と情報が流れていってしまうため、そういった点でも表面上の具体的な話だけを捉えて本質について考える事が少なくなりがちです。
重要なのは、物事の根幹である本質を捉え、より普遍的で抽象的な考え方を応用して具体的な行動に結びつけることです。
そのためには抽象から具体への分解を自分なりに行う必要があり、これを繰り返すことは脳が鍛えられると同時に、抽象的な知識を応用する力を身につける事ができます。
具体的な事を幾ら習得しても状況が少しでも変わると対応する事ができなくなってしまいます。物事の本質を捉えることができれば少し状況が変わっても、抽象的な視点からどのように対応すべきかわかるようになってきます。
とはいえ、具体的な話を聞いて本質を捉えるというのは練習が必要です。繰り返し具体化⇄抽象化の反復練習をすることで脳を鍛え徐々に本質を捉えることができるようになってきます。
効率を求めすぎない
効率を追い求めようとすると、ある課題に対して最短経路で答えを導こうとします。先に断っておきますが、課題解決をする上で、最短経路で答えを導くこと自体が悪いといっているわけではありません。
私自身生活の生産性を高めるために、無駄な時間は出来るだけ削るように日々試行錯誤しています。効率を求めることは最終的に自分のやりたいことをするための時間を生み出してくれるため、良い側面はあります。
しかしながら仕事上の課題、Youtubeのショート動画なども含め、出来るだけ簡略に端的に内容を纏めて極端に効率を高めようとすることは、脳を強くするという点においては、あまりお勧めできません。
課題があったときに最短経路で答えを導くことも重要ですが、ここでのポイントは、それに至るまでに何重もの思考の繰り返しが脳を強化してくれるという点です。
時間制限のある学校の試験問題であれば、パターン化して数式に当てはめて最短経路で解いた方が高得点は取れるかもしれません。
しかし、脳を強化したければその数式がどのようにして導かれたのか、他にもっと良い解法はないのか、と答えを導くまでの過程に着目する事こそ成長の機会があります。
脳を強くしたいのであれば、結果だけにこだわるのではなく、そこに辿り着くまでのプロセスでどれくらい思考を巡らすことができたかにこだわりましょう。
思考を幾度も巡らすという非効率なことを経ることで自分らしい考え方が育まれ、独創的なアイデアやひらめきが生まれます。
幅広く興味関心を持つ
人の脳というのは「知りたい」という知的好奇心を持つことが動力源になります。小さい子供は分からないことがあればすぐ「なんで?」聞くことがありますが、あれば知的好奇心が強い証拠です。
知的好奇心が強いと、考える仕組みが機能して神経回路が使われるため、脳の働きが活発になります。
大人になると、物事に対して興味が薄れてしまう人が多くなりますが、脳機能を強化するためには改善した方が良い習慣の一つです。何事も知らない事が目の前に現れたら、少しでも興味を持ちそのことについて調べたり、話を聞くことで脳機能の強化につながっていきます。
また、「嫌い」「苦手」などの感情を沸いてしまう情報に対しては、関心を持つのは難しく、脳のパフォーマンスも低下してしまいます。
その情報の中でも部分的には良いところはないか、捉え方を変えることで感情を切り替える工夫をしましょう。
苦手なものを見つけた時は脳機能を強化するチャンスです。
ネガティブな感情を持っているものに対して長所を見つけるというのは自制心と思考力を必要とします。
これを繰り返すことは日頃ネガティブな感情になる回数を減らし、脳を強化してくれるのでぜひ取り組んでみてください。
新しいことに挑戦する
通勤による移動、歯磨き、朝起きるための手段、着ている服、飲んでいるもの、食べているもの、日々の生活で繰り返し行っている動作というものがあります。
人の脳は毎日同じことを繰り返し行っていると習慣になり、思考せずともそのことをできるようになります。
お店選びでも、若い頃は雰囲気の良い店がないか調べて行ってみたり、評判の良さそうな店に行ってみたりして開拓していた人も、年齢を重ねるにつれて行きつけの店に通うことが多くなってきます。
これは脳機能が劣化することで慣れないことをするのが強いストレスになり、出来るだけ避けようとするようになるという特性があるからです。
脳は未だ経験したことのないことに出会うことで、機能が強化されて活性化していきます。新しいことに挑戦することで脳を刺激して脳機能を強化しましょう。
【重要】食習慣を改める
脳機能を強化する上で食生活を整えることは非常に重要なポイントです。ここで重要なのは脳を強化するだけでなく、劣化を抑える原因を特定し予防することになります。
細胞が劣化する最大の危険因子は「活性酸素による酸化ストレス」です。特に脳は酸化ストレスに弱く、この酸化ストレスを抑えることが脳の劣化に対して効果的です。
その酸化ストレスを抑える一つの手段が「抗酸化作用の強い食べ物を摂る」ということです。
体内では活性酸素という他の物質を酸化させる力の強い酸素が産出されます。
活性酸素は、細胞伝達物質や殺菌効果があるため免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な病気をもたらす要因となります。
活性酸素は酸素と水に分解して無毒化する機能が人には備わっていますが、上記よって活性酸素が大量に生成されたり加齢によってその機能が弱体化すると分解が追いつかなくなってしまいます。
その対抗策がビタミンやポリフェノールなどの強力な抗酸化作用を持つ食べ物を継続的に摂ることなのです。
具体的にどのような食べ物を取れば良いかは下記に記載しています。
また、食物繊維をしっかり摂ることも脳機能を強くするためには重要です。
脳を動かすためにはエネルギーが必要となりますが、そのエネルギーというのは食べたものから得ています。脳を正常に動かすためには、有害な老廃物や毒素が吸収されることなく、安定してエネルギーを供給することが必要です。
食物繊維自体はエネルギー源にはなりませんが、「腸内に老廃物が溜まり脳に毒素が移動するのを防ぐ」「体内の毒素と結合して体外に排除する」「血糖値の乱高下を抑え、安定したエネルギー供給ができる」といった作用があります。
食物繊維をしっかりと摂り、脳に毒素が入り込むことを抑え安定してエネルギー供給をすることで脳は正常に機能するようになります。
どういった食品に食物繊維が多いのかは下記に記載しています。
他にも、タンパク質を多く含む食品を食べることで幸せホルモンであるセロトニンの分泌量が多くなりストレス抑制効果があるので、タンパク質中心の食事を心がけましょう。
【重要】運動する
運動と脳機能の強化にどのような関係があるのかと思った方もいるかもしれませんが、運動は食事と同様に非常に有効的な方法の一つになります。
運動をするとニューロンのつながりを強めて脳回路をより強固なものとすると同時に、海馬でニューロンの親である幹細胞を生成してくれるようになります。
また、ニューロンの新生に欠かせない栄養因子であるBDNFやVEGFなどが盛んに供給されるようになり、脳の成長を後押ししてくれます。
このような変化は脳の能力を向上させ海馬や前頭前野が発達し、記憶力や論理的思考、感情のコントロールがより上手くできるようになります。また、脳回路をより強固なものとすることでダメージを受けた際にも深刻な症状につながることを防いでくれます。
忙しい人へおすすめする運動が「HIIT」という運動法になります。
HIITとはHigh Intensity Interval Trainingの略で直訳すると「高強度インターバルトレーニング」で負荷の高い(高強度)運動と休憩(インターバル)を短いスパンかつ短時間で交互に行うトレーニングのことを指します。
HIITは短時間で行えるだけでなく「有酸素運動」と「無酸素運動」それぞれの運動効果を得られる非常に効率的な運動法です。10分あればできる短時間トレーニングなので、まとまった時間が取れないという方はまずこちらを試してみてください。
それ以外でも、日常で歩く時間を増やすことでも脳機能の強化に繋がるので、ひとつ前の駅から歩いてみる、休日は公園を散歩する、階段を利用するなど生活の中で体を動かす工夫をしてみてください。