色々とスキンケアを試しているけど、なかなか肌が綺麗にならなくて困っている。
どうすれば肌が綺麗になるのか知りたい。

今回はこのような肌の悩みについて身近なもので根本的に綺麗にて維持する方法について説明していこうと思います。

外側からのスキンケアには限界がある

肌を綺麗にするためには「外側からケアする方法」と「内側からケアする方法」があります。

外側からケアするというのは洗顔、化粧水、乳液、保湿クリームやピーリング剤や日焼け止め、肝細胞エキスなどを使って肌の表面からケアをする方法です。

現代はスキンケアが多様化しており、さまざまなアプローチで肌を綺麗にするアイテムが出てきています。テレビや電車の中づり広告などで、綺麗なタレントがスキンケアグッズと共に映っているのをみると、これを買えば自分も同じように綺麗になるんじゃないか、今度こそ肌の悩みが解消できるのではないかと思ってしまうかもしれません。

しかし、巷のスキンケアグッズが刻一刻と変化している一方で、私達の皮膚はというと何万年も前から大して変わっていません。今ほどスキンケアグッズはほとんどなかった時から人の肌は特徴は変わっていないですし、それで昔の人の肌が綺麗ではなかったかというとそういうわけではありません。

効果のあるスキンケアグッズもありますが、大半のものは大した効果がないと思った方が良いかもしれません。

少なくとも以下の2つのスキンケアは肌を綺麗に保ってくれることが多くの研究でわかっています。

  • 紫外線から肌を守ってくれるもの
  • 保湿効果がしっかりあるもの(化粧水はNG)

敏感肌など人それぞれ肌の特性が異なるので、どのスキンケアグッズを使うべきかは異なりますが外側からのスキンケアというのは上記の2点だけしていれば十分であり、これ以上のスキンケアは肌を逆に傷つけてしまう可能性があります。

それでは他に肌を綺麗にする方法がないかというと「内側からケアする方法」があります。今回はこの点に着目し、内側どのようなケアをすれば肌が綺麗になるのかを詳しく説明していこうと思います。

内側から肌を綺麗にする方法

結論を先に述べてしまうと、肌の細胞に必要な栄養素や酸素を送り届け、不要な老廃物をしっかり排除することで肌を綺麗にすることができます。このために特に重要なのが以下の2つです。

  • 腸内環境を改善する
  • 血流を良くする

それでは一つずつ説明して行きます。

腸内環境を改善する

最近では「腸活」が流行っているようですが、実際に腸内環境ってそんなに肌を綺麗にするために重要なのか疑問に思う人も多いんじゃないかと思います。

そもそもですが、腸には以下の4つの役割があります。

  • 吸収:小腸の超絨毛という突起物から分解された栄養素、水分を体内に取り込む
  • 消化:食べ物の腸内細菌による分解とその消化
  • 排泄:吸収されなかった老廃物や毒素を蠕動運動によって肛門まで運ぶ
  • 免疫:腸内の免疫細胞が外部細菌から体を守る

ここで特に関係しているのが「消化」と「排泄」です。先ほど肌を綺麗にするためには必要な栄養素や酸素を送り届け、不要な老廃物をしっかり排除することが必要であると述べました。

まさに腸はこの機能を担っており、腸内環境を改善することがこの役割を正常に機能させるために必要なのです。

では腸内環境を改善するためにはどうすれば良いのか。腸内環境を改善するには以下の方法が効果的です。

  • プチ断食
  • 良質なオイルを摂る
  • 果物を食べる
  • 水を飲む
  • 食物繊維を摂取する
  • サプリで補う

プチ断食をする

急にキツそうなの来たと思った方いると思いますが、ここで言いたいのは「新しい食べ物を取り込まないようにして、腸の休憩時間を作る」ということです。

プチ断食ですが効果を大きく得るために、16時間以上空けることをおすすめします。

というのも、口から取り込んで消化・吸収されて大腸に到達するのがおよそ10時間ほどなので、そこから小腸で新しいものが取り込まれずに、自浄に専念してもらう時間が必要です。常に満杯の状態になっていると、消化管のあらゆるところでさらに詰まって、浄化することができないからです。

その結果、食べ物がさらに腐敗してしまうので、そうならないように腐敗の元を断つということです。自浄の時間を設けることで消化管に溜まった汚れが剥がれ落ちて、排泄されやすくなります。

また、断食を16時間以上を継続すると体内で「オートファジー」という古くなった細胞を内側から新しく作り変える仕組みが働きます。これによって内側から体を蘇らせることができるためこの観点からも軽い断食はおすすめです。

どの時間帯で断食を行うかは自分のライフスタイルに合わせて調整するのが良いかと思いますが、個人的に取り組みやすいと思っているのが「夜抜き型」です。

「夜抜き+睡眠」で16時間の断食をするため、昼ごはんを多めに食べて夜ごはんを抜けばそこまで空腹を我慢することなく断食することができる方法なのでぜひ試してみてください。

他のパターンが知りたい方は、下記を確認してみてください。

【簡単に実践できる】最強のアンチエイジング「オートファジー」とは何か 実践方法も解説

今回は「アンチエイジング」について解説していきます。「いつまでも若々しい心と体を維持したい」「実際の年齢よりも若く見せたい(見られたい)」「出来るだけ長生きし…

良質なオイルを摂る

自浄能力を促進させるために、断食の時間以外ではオイルをとると良いです。皿洗いに例えるならばカレーの頑固な汚れを水洗いでゴシゴシするよりも、洗剤を使うことで効果的に洗い流すことができます。

この腸内洗浄のための洗剤の役割をしてくれるのが良質なオイルです。

オイルと言ってもどんなものでも良いというわけではないです。ココナッツオイルやエキストラバージンオリーブオイルなど「オレイン酸」が含まれている良質なオイルが好ましいです。これらのオイルは消化管に溜まった汚れを盲腸まで流してくれる有効な手段の一つになります。

果物を食べる

果物もオイルと同様に腸内を綺麗にしてくれる効果があります。

果物の中でも特にレモンやグレープフルーツなどの柑橘類は洗浄効果が高いです。また、抗酸化作用のある成分も含まれているため、老化防止からがん予防まで幅広い効果が期待できます。

ただし、果物をとるときに一つ注意することがあります。それは「消化の遅い食べ物と一緒に食べない」ということです。上記の柑橘類を含め、果物全般というのは他の食べ物と比べて消化が速い食べ物です。そのため消化の遅い食べ物と組み合わせると果物まで消化に時間がかかってしまい、腸内で腐敗してしまうため逆効果になります。

この「消化の速い食べ物」と「消化の遅い食べ物」についての考え方は腸内環境を健康で維持する上で意識しておくと良いかもしれません。

水分を十分にとる

次に水分を十分にとるです。上記で皿洗いの例を挙げましたが、皿洗いには十分な水がないと汚れを流すことはできないですよね?それと同様に腸内でもある程度の水分を含んでいることで自浄効果は高まります。

特に硬度120mg以下の「軟水」がお勧めです。硬度が高いほどミネラルが多いので健康に良いと思う方もいるかもしれませんが、ミネラルには人体で処理できない「無機ミネラル」を含みます。この無機ミネラルは汗として発散するために皮下脂肪に蓄えられますが、室内温度が調整できる現代では汗をかく機会が少なく不要物として体内に滞留してしまうので硬水はお勧めしません。

食物繊維を摂る

これは想像できるかと思いますが、食物繊維を摂ることで腸内の善玉菌の餌になるため、腸内環境改善に効果があります。

腸内環境を改善してくれる食物繊維ですが、現代人は少しばかり摂取が不足しています。

また、2020年に発表した厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、成人の食物繊維の1日の摂取目標量は男性21g、女性18g以上としているのに対して、20~50代の男性の1日の摂取量は18g、女性は16gほど不足していることがわかっています。1)

不足しがちな食物繊維ですが、以下のような食品から摂取することができます。味噌汁やミックスナッツなど意識的に食べて食物繊維をしっかり摂るようにしましょう。

また国立がん研究センターが行なった調査によると、45歳〜74歳の日本人約9万人を対象として平均17年もの追跡調査を行なったところ、食物繊維の摂取量が増えるほど、総死亡率、がん死亡率、循環器疾患死亡率が20%近く下がることがわかっています。2)

このことから、健康体を維持する上でも食物繊維は一役買っています。食物繊維について知りたい方は下記を確認してみてください。

【保存版】食物繊維を多く含む食材とは? 食物繊維と健康の関係について【食物繊維ランキング掲載】

今回はこのような悩みに応えていこうと思います。 食物繊維の摂取量と死亡率の関係 食物繊維は糖質、脂質、タンパク質に対して腸で吸収されることはないため、人のエネル…

サプリで補う

腸内環境を改善するサプリというのもあります。ビタミンCやコラーゲンなどのサプリで肌を綺麗にするというものもありますが、個人的にはそれよりも効果があると思っているものがあります。それがプロバイオティクスです。

プロバイオティクスとは、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の腸内バランスを改善することで健康に良い影響を与えてくれる微生物の事を指します。

プロバイオティクスと一言で言っても、「腸内環境を酸性に保って腐敗を抑制する」「酢酸を生成して悪玉菌の増殖を防ぐ」「腸の蠕動運動を活発にして便通を良くする」「善玉菌の餌になる」など、種類によって働きが異なります。

どれが良いか分からないという方はビオフェルミン製薬の新ビオフェルミンSがおすすめです。私は毎日服用していますが、服用して以来お腹の不調はなくなり、肌トラブルもかなり減ったため、腸内環境が悪いと感じた方におすすめです。

血流を良くする

腸内環境を改善するのと同じくらい血流を良くするのは肌を綺麗にするために重要になります。腸内環境を改善して必要な栄養素を吸収したらそれを皮膚細胞まで送り届ける必要があり、これには血流が大きく関係しています。

人の血液量というのは体重のおよそ8%ほどと言われており、例えば体重60kgの人であれば血液量は4.8kgとなります。

また血液の成分というのは以下の4つから構成されています。

  • 赤血球:肺で酸素を取り込んで身体中に運ぶ
  • 白血球:顆粒球、リンパ球といった体の免疫作用の働きを持ち、外部細菌から体を守る
  • 血漿:栄養を全身の細胞に運んだり、老廃物を肝臓から排出するほか、二酸化炭素を肺に運んだり血圧を一定に保つ役割を担っている
  • 血小板:血管の損傷部分で血栓を作って止血する

このように血液は、全身に酸素や栄養素の供給を行い、二酸化炭素や老廃物の排出、免疫機能を担っている非常に重要な役割があります。

東北大学医学部のマウスを使った実験では、通常のマウスよりも血管の潤滑性が高く血流が良いマウスと通常のマウスを同条件下で飼育したときの寿命を比較しました。この実験によると、前者の血流がよいマウスは通常のマウスに比べて平均寿命が1.3倍にもなったことがわかっています。血流以外は同条件のため、血流がどれだけ健康に影響を与えるのかが良くわかる結果と言えます。

もちろん皮膚を健康で若々しく保つためにも血流を良くすることが重要になります。では、血流を良くするにはどうすれば良いか。改善するポイントは2つです。

  • 血液の量
    体内の血液が満たされることで血行を良くするためには、血をより多く作り出す必要があります。血を作るために特に重要な事は胃腸などの消化器官を強くし、栄養を十分に吸収できるようにする事です。
    血は何もないところから出来るわけではなく、食べたものから作られます。これは血に限らず体全体に言えることで、胃腸などの消化器官を強くし、十分な栄養を吸収させる事でエネルギーが作られて新陳代謝が向上します。
  • 血液の質
    先ほど挙げた「血液をサラサラにする」というのはこの血液の質に当たります。血液をサラサラにするためには暴飲暴食を避け、糖質中心の食生活からタンパク質中心の生活に切り替える・抗酸化作用の高い栄養素やオメガ3を摂取するなどの対策が考えられます。
    血液の質というのは、生活習慣病である、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞といったものの予防に直結します。

上記の3つのポイントを改善することを行うことで、血流が改善し、最終的に綺麗な肌を手に入れることができます。

それでは具体的な手段ですが、以下のような8つの方法があります。

  • 午後10時〜午前2時は寝る
  • 自律神経を整えて血液を作る
  • 体温を調節して血液を作る
  • 肥満による消化不良の改善
  • プチ断食をする
  • 朝ご飯を食べて体内時計をリセット
  • タンパク質を摂取する

午後10時〜午前2時は寝る

睡眠で血液を作る力を向上させる最も効果的なものが、ゴールデンタイムと呼ばれる午後10時〜午前2時は寝ることです。

ゴールデンタイムは成長ホルモンが最も分泌されるため寝た方が良いというのは広く知れ渡っているかと思いますが、血行を改善する観点でもこの時間帯に寝ることは下記観点で効果的です。

  • 血液を作る
    就寝近くになると交感神経優位から副交感神経が優位へと遷移していきます。副交感神経が優位となってから1時間後〜3時間後が血液を作る時間のため、この時間帯に就寝することで正しく血液が体内で作られます。
  • 血液中の老廃物を排除する
    入眠直後90分の睡眠の質が高いほど、血液中の老廃物を排除することができます。したがって、人が本来持つ1日のリズムにしたがって22時に入眠を習慣とすることで、より質の高い睡眠に入り、効率的に血液の浄化を行うことができます。これにより免疫力向上と睡眠の質がより向上するという好循環のスパイラルを得ることができます。

自立神経を整えて血液を作る

睡眠中に正常に血液を作るためには、睡眠中よりもベッドに入る前の準備が重要です。血液を作るために特に重要なのが自律神経を整えることです。

自律神経とは一言でいえば内臓器官の中でもとりわけ、血管をコントロールしている神経です。生命活動に欠かせない呼吸も実は自律神経がコントロールしています。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つの神経から成り立っています。

  • 交感神経
    心身をアクティブな状態にする働きがあり、血管が収縮して血圧が上昇し、興奮・緊張状態に近づきます。
  • 副交換神経
    心身をリラックス状態にする働きがあり、交感神経と反対に血管は緩み血圧が低下し、気分は落ち着く状態に向かっていきます。

この自律神経のバランスは日内変動と言って時間帯によって交感神経と副交感神経どちらが優位になるかは変動するようにできています。
一般的に日が昇る朝方から昼過ぎまでは交感神経が優位となり、夕方から夜にかけては副交感神経が優位となります。

この日内変動によって夜になるにつれて副交感神経が優位となり、リラックス状態に向かっていき安らかに眠るというリズムを作ってくれています。

つまり、このリズムに沿って睡眠前は交感神経をできる限り刺激せずに副交感神経が優位となるような行動をすれば、良質な睡眠をとることができ正常に血液を作ることができるということです。

副交感神経が優位となるための行動とは下記の3つがあります。

  • 強い光を放つものを控える
    具体的にはテレビ、スマホ、パソコンの使用を控える事です。これらの機器から発せられる光は交感神経を刺激しメラトニンの分泌を妨げる上に副交感神経の働きを阻害してしまうため、控えましょう。特にスマホでSNSを使用している人は他人のコメントでストレスを受ける可能性があり、それによって交感神経が大きく刺激されてしまうため、特に注意です。
  • 香りを活用する
    副交感神経の働きを高めるには、嗅覚を活用した方法もあります。自身の好きな香りを嗅ぐ事で末梢神経の血流が良くなることがわかっています。特に睡眠の質を上げる香りとしてラベンダーの香りがあります。ある研究では、ラベンダーの香りを嗅いだ被験者の副交感神経を刺激し、体温、血圧ともに緩やかに低下して、誘眠効果の高いα波が増加したとの研究結果も報告されています。その他にはヒノキやスギなどに含まれているセロドールと呼ばれる香りは交感神経の興奮を鎮めてくれる効果があることもわかってきています。
  • 音を活用する
    音楽を聴くと心がリラックスできることがありますが、これは聴覚による癒し効果です。そしてその中でも愛の周波数とも呼ばれる528Hzの音楽は、聴くだけで自立神経を整えてくれて、ストレス緩和に効果のある幸せホルモンであるオキシトシンを活性化してくれることが分かっています。睡眠中にずっと流し続けると逆に睡眠の質を下げることにつながってしまいます。音楽の誘眠効果を活用するのであれば、ちょうど寝入るくらいのタイミングで切れるように再生時間を調整するのが好ましいです。

体温を調整する

質の高い睡眠から血液を正常に作るためには、体温を意識することも重要です。

体には表皮体温と深部体温の2種類があります。深部体温は体の中心に近い体温で、朝と夜で体の深部体温は1℃近くも異なります。

そして、睡眠の質が高いほどこの深部体温が低下することがわかっています。

寝ている間の体というのは代謝が下がり、活動量が下がることで筋肉によるエネルギー消費や食べ物を消化するために必要なエネルギーが低下します。

また、徹夜していたとしても人の体内時計にしたがってよるになると深部温度を下げようとする働きがあります。これは、深部体温の熱が手や足などの末端の毛細血管に移動して熱放出が起きているためです。これによって、深部温度が下がり表皮体温との差が縮まり睡眠圧が高くなっていきます。

したがって、この体温が下がる流れをより加速する方法を取り入れることで、意図的に睡眠中の深部温度を低下させて質の良い睡眠を手に入れることができます。

睡眠中の深部体温を意図的に下げる最も効果的な方法の1つがお風呂に入ることです。

体温を下げるために温める矛盾に疑問を持つかもしれませんが、これは人間のホメオスタシスを利用した方法です。

ホメオスタシスとは体の状態(体温や免疫力)を一定に保とうとする仕組みのことです。入浴直後は湯冷めするとよく言いますが、お風呂に入って体温が急激に上がると、このホメオスタシスが機能して体温を下げようとします。

これにより睡眠中の深部体温がより下がりやすくなり、睡眠の質向上につながります。

また、お風呂に入る以外にもサウナで深部体温を下げる方法もあります。気になる方は下記を読んでみてください。

サウナは健康に良いのか? サウナの健康効果と正しい「ととのえ方」について解説

今回はサウナの健康への効果と初心者のための正しい「ととのえ方」について解説していこうと思います。 最近、コロナの影響で運動不足になっていることも相改まって健康へ…

肥満による消化不良の改善

肥満体質を改善すると血行が良くなります。特に男性に多い下腹が出ていると胃腸が弱っていることが多いですため、血が作りづらくなっています。

下腹が出ている状態というのは内臓脂肪が増え、他の内臓や周囲の組織・筋肉の支えに耐えられずに内臓が下へ下へと垂れ下がってしまっている状態です。

これが特に発生しやすいのが、胃腸です。特に胃下垂(胃の下部が伸びてしまっている状態)になってしまうと消化能力が三分の一にまで下がってしまいます。

この結果、消化不良を起こして胃腸環境が悪くなるため、血を作るための栄養の吸収効率が低下して、血を作りづらくなってしまいます。

この胃腸環境を改善して血行を改善する方法は肥満解消以外に2つあります。

  • 筋トレする
    特に腹部周辺の筋肉を鍛えることによって、内臓を支える力を強くして胃下垂が起きにくくすることができます。
    また、基礎代謝向上によって肥満体質改善も見込まれます。おすすめの筋トレ法はプランクとドローインです。
  • 大食い・早食いを控える
    一気に食べ物を胃袋に詰め込もうとすると、重力で下に引っ張る力が強くなるので胃下垂が起きやすくなります。
    また、良く噛むことで消化・吸収の改善効果があります。

プチ断食をする

先ほど腸内環境を改善する際にも挙げましたが、プチ断食は血流を良くするという観点でも効果的であることがわかっています。

プチ断食を行うことで空腹時間を増やすと胃腸の消化・吸収機能が回復し、十分に栄養を吸収することができるようになるため、血が正常に作られるようになります。

ここで重要なのは「空腹感」ではなく「空腹」の時間です。

空腹は実際に胃の中が空っぽの状態を指しており、実際に空腹になるのは最後の食事からおよそ90分後になります。
空腹になると胃は食べ物を消化しているときよりも強い力で収縮します。

胃がこのような強い収縮する理由は下記です。

  • 胃の汚れを落とす
    強い収縮運動がされると胃の食べ物の残りカスや古い粘膜を取り除くことで、胃を綺麗にするためです。よくお腹が鳴ることがありますが、あれは空腹になって胃が強い収縮をしている時の音です。なのでお腹が鳴ったら食べるのではなく、空腹にするのが血行の観点からは正解になります。

この強い収縮運動がされないと、胃腸の汚れを落とす回数が減るため、必然と食べ物の残りカスや古い粘膜が溜まり続けます。
体温は37度前後であることからも、それらが残り続けるとすぐに腐敗して胃腸の状態が悪化することは想像できるかと思います。

また、就寝中は胃が休まっている状態なので、できるだけ就寝直前は空腹となるように夕食の時間を調整するとより効果的です。

朝ご飯を食べて体内時計をリセット

忙しい現代人は寝る時間を確保するために朝ご飯を抜く人もいるかと思いますが、血行を良くするためには朝食を摂ることをおすすめします。

朝食を摂ると体内の時間帯感覚であるサーカディアンリズム(およそ25時間周期にくる生理現象のこと)を調整する効果があります。

このサーカディアンリズムというのは、単純に時差ボケに関わっているわけではなく、体温や免疫力、新陳代謝などの体のあらゆるリズムがこのサーカディアンリズムに沿って変化していきます。

したがって、朝食を摂ってこのリズムを調整することで朝体温が上昇し、正しく血の原料を吸収して血を作り全身に血を行き渡らせる一連の流れが引き出されます。

また、サーカディアンリズムを調整するという観点では、朝起きたらカーテンを開けて日の光を浴びることもおすすめです。

タンパク質を摂取する

血を増やすというのは赤血球を増やすという事でもあります。赤血球の中にあるヘモグロビンはタンパク質であることからも、血を作るためにはタンパク質の摂取が必須になります。

そのために特におすすめしたいのが鶏肉を食べることです。

タンパク質と摂るだけであれば牛肉や豚肉、大豆などから摂取できますが、血を作るという観点では鶏肉が最強です。

理由は2つあります。

  • 吸収率の良いヘム鉄が多く含まれている
    鉄分ならほうれん草と言われることが多いですが、鶏肉とほうれん草に含まれている鉄分は100g中どちらも2mgほどとほぼ同量含まれています。また、ほうれん草に含まれる鉄分は非ヘム鉄というものです。一方で鶏肉に含まれているヘム鉄は非ヘム鉄に対して吸収率が5倍高いため、ほうれん草を食べるよりも鶏肉を食べた方が鉄分の吸収は圧倒的に多いのです。
  • アミノ酸スコアが100である
    体内で合成できない必須アミノ酸の含有量をスコア化したアミノ酸スコアが鶏肉は最高点の100です。体内に吸収された20種のアミノ酸をもとに、筋肉や肌、そして赤血球のヘモグロビンを作られるため、バランスよくアミノ酸を摂取する必要があります。鶏肉はこの点において優秀な食材の一つです。

20種類あるアミノ酸それぞれの効果についてはこちらに記載しているので確認してみてください。

【アミノ酸一覧あり】ダイエットを本気で成功させるためのタンパク質基礎知識

今回はタンパク質の基礎知識について解説していこうと思います。 20代を過ぎて代謝が落ち始めてから太り始めてしまい、なんとかして痩せようと考えたことがある人は多いの…

まとめ

身近なもので根本的に肌を綺麗にして、維持する方法13選

  1. 腸内環境を改善する
    腸は必要な栄養素や酸素を送り届け、不要な老廃物をしっかり排除する機能を持っており、腸内環境を改善するのが、この機能を正常にすることに直結します。腸内環境を改善する方法は下記の通り。
    • プチ断食をする
      新しい食べ物を取り込まないようにして、腸の休憩時間を作ることで、消化管に溜まった汚れが剥がれ落ちて、排泄されやすくなります。
    • 良質なオイルを摂る
      腸内洗浄のための洗剤の役割をしてくれるのが良質なオイルです。特にココナッツオイルやエキストラバージンオリーブオイルなど「オレイン酸」が含まれている良質なオイルが好ましいです。
    • 果物を食べる
      果物もオイルと同様に腸内を綺麗にしてくれる効果があります。果物の中でも特にレモンやグレープフルーツなどの柑橘類は洗浄効果が高いです。
    • 水を飲む
      腸内でもある程度の水分を含んでいることで自浄効果は高まります。
    • 食物繊維を摂取する
      食物繊維を摂ることで腸内の善玉菌の餌になるため、腸内環境改善に効果があります。
    • サプリで補う
      プロバイオティクスを含むサプリで「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の腸内バランスを改善することができます。
  2. 血流を良くする
    血液は、全身に酸素や栄養素の供給を行い、二酸化炭素や老廃物の排出、免疫機能を担っている非常に重要な役割があります。血流を良くする方法は下記の通り。
    • 午後10時〜午前2時は寝る
      ゴールデンタイムにしっかり寝ることで、血液が十分に作られ、血液中の老廃物を除去してくれます。
    • 自律神経を整えて血液を作る
      睡眠前は交感神経をできる限り刺激せずに副交感神経が優位となるような行動をすれば、良質な睡眠をとることができ正常に血液を作ることができます。特に寝る前の行動で大きな差が生まれます。
    • 体温を調節して血液を作る
      体温が下がる流れをより加速する方法を取り入れて、意図的に睡眠中の深部温度を低下させて質の良い睡眠を手に入れること、血液が十分に作られるようになります。
    • 肥満による消化不良の改善
      肥満になると胃下垂により、消化不良を起こして胃腸環境が悪くなるため、血を作るための栄養の吸収効率が低下して、血を作りづらくなってしまいます。
    • プチ断食をする
      胃腸の消化・吸収機能が回復し、十分に栄養を吸収することができるようになるため、血が正常に作られるようになります。
    • 朝ご飯を食べて体内時計をリセット
      朝食を摂って体内時計を調整することで朝体温が上昇し、正しく血の原料を吸収して血を作り全身に血を行き渡らせる一連の流れが引き出されます。
    • タンパク質を摂取する
      血を増やすというのは赤血球を増やすという事でもあります。赤血球の中にあるヘモグロビンはタンパク質であることからも、血を作るためにはタンパク質の摂取が必須になります。

参考文献

  1. 厚生労働省. 『日本人の食事摂取基準(2020 年版)』
    https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
  2. Ryoko Katagiri , Atsushi Goto , Norie Sawada , Taiki Yamaji , Motoki Iwasaki , Mitsuhiko Noda , Hiroyasu Iso , Shoichiro Tsugane. "Dietary fiber intake and total and cause-specific mortality: the Japan Public Health Center-based prospective study" Am J Clin Nutr. 2020 May 1;111(5):1027-1035.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31990973/