自分の人生はこのままで良いのか、もっとすべきことがあるんじゃないかと不安になってしまう。何をしていても他のことが気になり、いろいろなことに手を出す癖があり、何かを落ち着いて取り組むということができなくなっている。

今回はこのような悩みに対して答えていこうと思います。

日々の生活を豊かに過ごすためには、思い悩んでいる不安を解消して、自分で決めた人生を生きることが有効だと考えています。今回は少し抽象的な話にはなるため、それぞれに具体的なアクションプランを添えて、私なりに重要だと考えているポイントをご紹介していきます。共感できるものや取り入れてみたいものが1つでも見つかれば、幸いです。

今この瞬間に集中する

私たちが持つ不安や悩みというのは、大半が将来に対するものです。

10年も自分は健康で生きていられるのだろうか、希望していた会社に入れなかったらどうしよう、両親が病気になったら介護はどうしよう、この先このままの状態で生活して幸せになれるのだろうか、起業に失敗したら仕事とお金はどうしよう、といったものです。

休日にゆっくりくつろいでいると、この生活で良いのか、この先大丈夫か、と不安や悩みが襲ってきたという経験がある方もいるかもしれません。これらは意識が未来に向いており、今この瞬間に関心が向いていない状態であり、メンタルヘルスに悪影響を与える状態です。

人生は有限であり、無常であり、同じ瞬間というのは2度はやってきません。だから、大切な人と時間を過ごしたり、友人と会話したり、公園を散歩したり、そのような貴重な体験している最中でも、その瞬間はまた訪れることはないということに気がつかないまま、将来の不安や悩みに意識を取られ、なんとなくその時間を過ごしてしまう。そういったことに身に覚えがないか自分を見つめ直してみましょう。

「過去は変えられないけど、未来は変えられる」と自己啓発本で発信している方もいるかと思いますが、私は本当に変えることができるのは「今この瞬間」だけだと考えています。過去に起きたことを変えることはもちろん出来ませんし、未来に起こりうる出来事を確定させることはできません。

自分の注意が今この瞬間に向いている状態をビーイング・モード、過去や未来に意識が向いており自分が行なっている事に注意が向いていない状態をドゥーイング・モードと呼びます。

不安や悩みを消してくれるのは今この瞬間に集中して没頭しているビーイング・モードです。ビーイング・モードになるためには、瞑想を習慣にすることが特に有効です。具体的な方法は下記で説明しているので、実践して自分の時間を取り戻しましょう。

【マインドフルネス】不安や悩みが解消する瞑想法5選 科学的に脳を休ませる方法とは?

基本的な瞑想法であるマインドフルネス呼吸法から説明します。この瞑想法はこのような時におすすめです。 注意散漫になっている時 無気力で何もやる気にならない時 ちょ…

アクションプラン

瞑想を実践することで、今この瞬間に集中する。

不安や悩みが襲ってきたら、今に集中していないと感じたら、まずは落ち着いて深呼吸しましょう。そして5分だけでも良いので瞑想をすると、徐々に和らぎ、今この瞬間に集中することができます。1ヶ月、2ヶ月と継続することで瞑想の効果は実感できるレベルになるため、短い時間でも継続して毎日取り組むことが効果的です。

楽な方に逃げない

自分にとって大事なこと、例えば学生であれば受験勉強であったり、部活の練習だったりというのは、少なからず精神的・肉体的な負荷がかかります。

目の前に辛いだろうと思わせるような現実が立ちはだかり、もし頑張って立ち向かっても報われないかもしれない。むしろそれで自信を失ってしまうかもしれない。今までもいろいろな事にチャレンジしてきたけど、今回も同じように失敗してしまうのではないか。

自分にとって、それが重要な事あればあるほど、この不安というのは強くなります。この不安は強いストレスとなり、ストレスを回避しようと、重要な事にもかかわらず後回しにしてしまいます。重要なことは先延ばしにして、気晴らしに甘いスイーツを食べ、ゲームに没頭して忘れようとする。また時が来たらしっかり考えれば大丈夫と自分に言い聞かせる。

このような回避行動は癖となり、辛いと感じるものには何かしらの言い訳を添えて逃げるようになってしまいます。

また、「やりたいことだけやって生きる」「スマホで楽して稼ぐ」「世界を旅するノマド生活」といったキャッチーな言葉がネットで飛び交っている影響もあり、どこかに楽して成功する方法があるのではないかと考える人が多くなっている気がします。

これまでに経営者や友人、本で様々な考え方に触れてきて思った事として、決して楽をして成功はあり得ないということです。自分にとって大事なことを手に入れるには、辛いことや大変なことも受け入れ成長しなければなりません。

この世は諸行無常です。常に同じものはないし、待っていれば良い方向に向かっていくことも少ないです。逃げて衰退するか、負荷を受け入れて成長するか、どちらかです。

とはいえ、気持ちを切り替えるだけで楽な方に逃げないようにするのは難しいものです。以下のような方法で辛いことも克服して成長していきましょう。

アクションプラン

考えるよりも先にすぐ行動する。

人間はネガディブな考え方によって危険から身を守り、生き残ってきた動物なので、普段の生活をしていく上でもネガティブな考え方をする傾向にあります。こういった問題があるんじゃないか、やって何になるんだ、どうせまた失敗する、と立ち止まって考えているとマイナス思考が頭を支配します。これは人間が生き残るために備わっている生存本能であって、コントロールが難しいものです。一度立ち止まってしまうと、負荷を受け入れることができなくなってしまうので、考えるよりも先に動き出しましょう。ポイントは自分が考えて立ち止まっていることを認識したら思考を一旦止めて動き出す。それが本当にしたいことかは置いておいて、とりあえず動き出してみましょう。

他人と比較しない

SNSを眺めていると華やかな生活をしている人、頭の良い人、大会で優勝した人など、何かしらインパクトのある情報が目に入ってきます。そういった人を見ていると、才能に恵まれていれ羨ましいな、自分には才能がないし、なんて平凡な人生なんだろうと落ち込むこともあるかもしれません。

学校の勉強でもスポーツの世界でも社会の中でも自分より優秀な人というのは沢山います。自分が努力してその人を超えたとしても、またさらに上に優秀な人がいて、、とその繰り返しです。もし、本当のトップになったとしても、いつか抜かれるのではないか、という不安と戦っていくことになります。他人と自分を比較している限りその不安というのは一生残り続けることになります。

「他人と比較するな」と言われても、つい本能的に比較してしまうものです。人は何かと比較して優勢であると安心します。対策として、他人ではなく、自分自信と積極的に比較することが他人を気にしないメンタルを保つことに有効です。

具体的には、昨日までの自分や、一年前の自分を思い出してください。今の自分ができて、その当時の自分にできなかったことを紙に書き出してみましょう。英語で日常会話ができるようになった、車の運転ができるようになった、親切にされたら必ず感謝を伝えるようになった。成長は小さなことの積み重ねです、どんな小さなことでも恥ずかしがらずに見つかったことは全部書き出しましょう。

そうして、自分と向き合うことに夢中になれば自然と周囲の人のことは気にならなくなっていきます。

アクションプラン

できるようになったことを紙に書き出す。

周囲の人と比べて落ち込むくらいであれば、自分自身と比較しましょう。昨日の自分より何ができるようになったのか、頭の中で考えるだけでなく、紙に書き出していきましょう。そうすることで、成長を視覚化することができて自信もついてきます。そうして自分とひたすら向き合っているうちに、自分が憧れていた人はいつの間にか追い越しています。

高すぎる目標を設定していないか

いつか100億で会社をバイアウトして悠々自適な暮らしをする、いつかテレビに出て芸能人の仲間入りをする、今月本を200冊読む、といった身の丈にあっていないような高すぎる目標を設定していませんでしょうか。

もちろん人によってはそれが可能な人もいると思います。しかし多くの場合、気持ちが先行しており、高すぎる目標を自分に課してしまっていることがあります。いつかそれが実現できると信じて、常にそのための準備をひたすらにしていれば、目標に近づいていると錯覚して安心感は得ることができます。

でもそれは、挑戦していない自分への偽りの言い訳であり、偽りの安心感となり得る危険があります。準備している時間というのは目の前にある壁をどう乗り越えようかその場で立ち止まって考えている状態です。問題はこの目標が大きくなるほど準備に掛ける時間が長くなり、実態の行動がいつになっても共わない可能性が高くなっていくということです。この準備をいくらしても壁が低くなることはないし、なくなることもありません。

これは目標設定が高くなりすぎていることが原因です。最終的な目標は変える必要がありませんが、その前にすぐにでも越えられる低い壁を設定しましょう。それを越えられたらもう少し高い壁を設定する、そうして階段上に目標設定することで、実態として行動が伴ってきます。

やはり行動に移すというのは少なからず心理的な負荷があります。そのため、とりあえず机に座ってみる、運動着を出してジムに行く用意だけする、といった負荷を出来るだけ小さい単位まで分解して行動に移しやすくすることがポイントです。

アクションプラン

設定した目標を今日実践できることまで分解して「今日」取り組む

高い目標を設定すると何から始めれば良いか見えなくなる。まずは下記のように、今日の自分が取れるアクショナブルな行動まで目標を分解していきましょう。そうやって目の前の目標を分解したらすぐ実践することで、確実に目標に近づくことができます。

目標:20年後にFIREを達成

そのためには年間いくらのキャッシュフローがあれば良いのか:年間〇〇円のキャッシュフローが必要

そのキャッシュフローを生み出すためにはいくらの資産が必要なのか:〇〇○円の資産

その資産を稼ぐには今から年間いくらの貯蓄が必要なのか:年間〇〇円の貯蓄

その年間の貯蓄をするためには月いくら貯蓄が必要なのか:月〇〇円の貯蓄

その月の貯蓄をするためには最低いくら稼ぐ必要があるのか:月〇〇円稼ぐ

その金額を稼ぐことは出来ているか、出来ていないなら何をすれば良いか:高待遇の会社に転職する

転職はいつまでにする必要があるか:今年の12月

転職するにはまず転職サイトから希望する会社にエントリーする

今を将来の踏み台にしない

自分の人生に集中できない考え方の一つとして、今を「いつかはこうなる」という途中過程と捉えることが挙げられます。

いつか、こういった理想の自分になれたら周囲からは称賛されて安心して生活ができるようになるだろう。今は我慢する時で、いつかは報われる時が来る。といったものです。

イソップ寓話に「アリとキリギリス」があります。

アリは食料が沢山取れる夏のうちにせっせと働き、冬に向けて備えます。その努力の甲斐もあって、冬は住処でゆっくりと過ごすことができます。一方で、キリギリスは冬の備えをすることはせずに、今を楽しもうと趣味のヴァイオリンを弾いて楽しく過ごします。その結果、キリギリスは冬になると食糧難となってしまい、冬を越すことができなくなってしまいました。

この寓話での教訓の一つに「アリのように将来のためにコツコツと働くことが重要。キリギリスのように目先のことだけ見ていると後で辛い思いをする。」というものがあります。地道に将来のために貯めることを重視するのアリと、今を楽しむことを重視するキリギリスですが、どちらの生き方正しいのかというのは賛否両論あるかと思います。

良い学校に行くために勉強をする、老後資金のために積立投資する、会社で昇進するために頑張って働く、そうして将来のことを考えて動くこと自体は良いことだと思い、積み上げる人。有金は全部使うべき、今しかできない体験や経験をしようと、今を重視する人。

さまざまな考え方がありますが、個人的な意見としては「アリでもありキリギリスでもある」べきだと考えています。

今を将来の踏み台にする思考に大きく偏ってしまうと、大きな不安の原因になり得ます。「こうなるべき」というプレッシャーが頭から離れず将来のことばかり考えてしまい、今この瞬間を楽しむということができなくなってしまいます。

とはいえ、キリギリスのような生活をしたいとは思っていても、社会人で仕事をしている人の多くは、アリのような生活をしてしまっているかと思います。

今を楽しむための時間というのは、最優先に時間を確保しないとなかなか作ることが難しいものです。そのため、まずは先の予定を確認して自分の好きなことをする時間を先に埋めてしまいましょう。理想は毎日1つ以上作ることです。

そうすることで今を無駄にしてしまっているという不安を解消することに繋がります。

アクションプラン

好きなことを毎日に1つ以上は必ずする

将来の目標を持って生きていると、その目標そっちのけで楽しい思いをしていると罪悪感が湧くという方もいるかもしれませんが、今を将来の踏み台にしている限り、いつになっても「こうあるべき」というプレッシャーが頭から離れず、苦しい思いをすることになります。家族と話す、スイーツを食べる、筋トレをする、絵を描く、なんでも良いです。将来のことは一切考えずに、1日に1つ以上は自分の好きなことをするようにしましょう。そうして、今を大切にする時間を持つことが人生の満足度にも影響を与えることになります。

本当にやりたいことをやる

自分にはスキルがないから、人脈がないから、お金がないから、とやりたいと思っているのに諦めてしまっていることはないでしょうか。挑戦しようと思っていたことはあったけど、お金や職を失う恐怖があり、できずに終わっていることはないでしょうか。

本当にやりたいと思っていることに取り組もうとするとき、思い入れが強いがあまり完璧にこなせると確信がない限り、踏み出せずにいる。仮に全てがうまく行くとしても、そうなることは事前には分からずに立ち止まってしまいます。

完璧にコントロールしたいという欲求は捨てて、まずは行動・挑戦してみることです。

起業してみたいと思ったら、会社設立の手順が書いてある本を書店で買って、事業計画書をそれっぽく書いてみる。ヒッチハイクしてみたいと思ったらとりあえず文房具屋に行って、マッキーペンとスケッチブックを買って服と一緒にバックに詰め込んで家を出る。

一瞬でも興味が湧いたことは、将来没頭ができるようなものになる可能性があります。不完全でも全てを理解していなくても大丈夫です。やりたいと思ったその関心を無駄にせずに時間を注いでみましょう。時には失敗に終わるかもしれません。起業しても事業を畳むことになったり、ヒッチハイクをしてみたけど誰も乗せてくれなかったりすることもあります。一度挑戦してみると分かりますが、案外やらなければよかったと後悔することは少ないです。本気で取り組んだ結果失敗したとしても、得られることが沢山あります。

まずは挑戦するために、取り組むための時間の確保から始めましょう。

アクションプラン

スケジュールの断捨離をする。

時間がないと思っている方は「時間を作る努力をしていない」か「家事や育児などやらなければならないことが多すぎる」か「無駄な時間が多い」か「変化を恐れた言い訳」のどれかです。自分では変えることが難しい理由を除いて、工夫をすれば時間は必ず作ることができます。まずは、自分の生活を起床〜就寝まで紙に書き出して、やらなくてもよいものはないか探してみましょう。その次に、やりたいと思っていることを生活の中に最優先でスケジュールします。時間に縛られないものであれば、朝の時間帯を確保することが有効です。仕事や家事など絶対にやらなければならないことを埋めた後はやりたいことを朝の時間帯に埋めていきましょう。それらの軸が固まったら、それらの軸をもとにどのように間の時間を行動するのかを肉付けしていきます。

各自が本当にやりたいことを見つけて自分らしい生き方ができるように行動を続けていきましょう。