夜寝ているのに朝からずっと眠い。
仕事・勉強している時も集中力が続かなくて、いつのまにかSNSを見ている。
本当はやるべきだと思っていることがあるけど、どうしても体が向き合ってくれない。。
集中力を高める方法があれば知りたい。
今回はこの悩みについて答えていきます。
先に結論を述べてしまうと、「朝断食」を取り入れてください。
「若者の〇〇離れ」というフレーズに沿って、「10代20代の若者が昔の趣味・嗜好に興味を失っている」ということがニュースでよく話題に上がっています。
「若者はモノへの関心が少なく、スマートフォンに釘付けになっている」と。
スマートフォンは開いた瞬間に情報の波が襲ってきて、集中力を一瞬で奪う力があります。
ロック画面を開くと何重にもなった通知。ツイッターやインスタグラムのアプリには大量のバッジが付いて、アプリを開けと言わんばかりの主張をしてくる。スマホを開かなくても振動や音で人を本能的に注意を引こうとしてくる。
これはスマートフォンに限った話ではありません。
車が走り抜ける音、他人の会話、街に張り巡らされた広告の数々。都内に住んでいる人ほど、このような外的要因によって半強制的に集中力を奪われていることが多々あります。
そのような現代社会において、高い集中力を維持するための方法は、大きく分けると2つあります。
- 自分を変える(集中力を高める方法を実践する)
- 環境を変える(集中力を妨げる原因を排除する)
今回は、前者の「自分を変える」方法の中でも、朝断食は個人的に最も効果があった!と実感しており、今も続けているので、その効果と具体的な方法について解説していきます。
朝の集中力をさらに高めて本当にやりたいと思っている事に向き合いたいと思っている人は必見です。
朝断食することの効果
まず、朝断食をすることの意義について説明していきます。朝断食は高い集中力を維持するというだけでなく様々なプラスの効果があります。
朝断食することの効果は以下の6つです。
- 高い集中力が維持できる
- 腸内環境が改善する
- オートファジーが行われる
- 朝の時間が増える
- 食費を抑えることができる
- 痩せる
それでは、一つずつ説明していきます。
高い集中力が維持できる
高い集中力を妨げる最大の要因は、朝食にあります。特に糖質量の多い朝食です。
「朝食」と聞くと、コンフレークやオートミール、白米、食パン、辺りがイメージとして浮かぶかと思います。
私は、これらの食べ物を朝食で摂るのは、朝の爽やかなイメージと合わせて食品を買ってもらうための企業広告による印象付けでしかないと思っています。
成分表示を見ればわかりますが、コンフレークやオートミール、白米、食パンどれも糖質が多く含まれていることが分かります。
特に朝食は「break(壊す)・fast(断食)」と書く通り、プチ断食の状態で胃腸に食べ物がほとんどない状態であり、朝食べたものを吸収しやすいタイミングです。
このタイミングで高糖質な食品を摂ると急速に胃腸で消化・吸収されて、血糖値が急上昇します。
血糖値が急上昇すると血管を傷つけるため、それを阻止しようと膵臓から「インスリン」と呼ばれるホルモンを大量に分泌して血糖値を下げようとします。
この血糖値の乱高下が私たちの集中力を奪っています。
オートミールや玄米などは比較的血糖値が上昇しづらい低GIですが、上昇しづらいだけで血糖値が上昇することには変わりありません。
血糖値上昇を気にして、オーバーナイトミールを毎朝食べていた時期が過去ありましたが、私は朝食べない時の方が高い集中力を維持できて活力が湧きます。
もちろん、朝食を食べないと全く元気が出ないという人もいます。体質によるところもあるかと思うのでまずは一度試して見ることをおすすめします。
腸内環境が改善する
腸内環境を改善するための方法はいくつかあります。
- バナナや納豆など食物繊維を含む食べ物を食べる
- 腸活サプリを摂取する
- ヨーグルトなどプロバイオティクスを摂取する
- 腸活ストレッチをする
- 断食する
- 添加物や加工食品を避ける
- 慢性的なストレスを避ける
個人的に、最も腸内環境が改善する方法というのは、「断食」だと考えています。
そもそもですが、腸内環境が悪化する原因は「食物の腐敗による毒素」が大半です。
腐敗したもの(腐敗物)が腸内に溜まると、消化・吸収の機能が低下します。これによって、体内に栄養素が取り込まれなくなり排泄が滞ります。
排泄が滞ると、悪玉菌がタンパク質を腐敗させアンモニア、インドール、スカトールなどの毒素を発生させます。
そして滞っている間に次の食べ物が送られてきて、それも消化・吸収が十分にできずに腐敗していきます。
このような悪循環に陥ってしまった場合、腸内環境改善に何が効果的かというと、次の食べ物を腸内に送り込まずに滞留している食べ物が消化されるのを待つことです。
朝断食によって、少なくとも10時間は次の食べ物が送り込まれることは無くなります。
断食中、腸内に滞留している食べ物を消化・吸収し、腸内の状態をリセットできることが腸内環境を改善につながります。
腸活が気になる方は下記もチェックしてみてください。
オートファジーが行われる
オートファジーとは「細胞内の古くなったタンパク質が分解され、新しくなる」機能のことです。これは細胞が低酸素状態や栄養が十分に行き渡ってない状態になると活性化するといわれています。
活動をすることで古くなった細胞内のタンパク質は体外に排出され、食事から新しいタンパク質を細胞内に取り込もうとします。
しかし、このサイクルは加齢などの理由によって弱くなり、古くなったタンパク質が体内に残り続けてしまいます。そうするとこの古いタンパク質が蓄積していき、病気や老化を引き起こす慢性炎症の元となります。
朝断食をすると、オートファジーによって慢性炎症を和らげることが出来ます。
細胞に新しいタンパク質などの栄養が十分に行き渡っていない状態にすると、体内では古くなったタンパク質を分解して新しいタンパク質を作ろうとする働きをします。
これがオートファジーです。オートファジーを機能させるためには、「16時間以上」断食時間を作る必要があります。
具体的な実践方法は下記を参考にしてみてください。
朝の時間が増える
朝ご飯を食べる時間をなくすことで、シンプルに朝の時間が増えます。
朝は意志力が高く、重要な意思決定をおこなったり、頭を使うような難題に取り組んだり、新しい事に取り組むのに最適な時間です。
作家の村上春樹、アップルCEOのティムクック、パナソニック創業者の松下幸之助、エジソンなど偉業を成し遂げた人の多くが早起きであることがわかっています。朝を有効活用することが成果に直結すると理解しています。
朝を有効活用する方法として、以下の2つがあります。
- 早起きする
- ルーティンワークを減らす
どちらも取り入れてほしいですが、今回の朝断食は後者の「ルーティンを減らす」に該当します。
朝断食を取り入れることで、朝食に充てていた時間の分、毎日自由な時間が増えます。人によっては30分〜1時間を朝食に使っている人もいるかと思いますので、かなりの自由時間が増えることになります。
また、朝断食によって高い集中力を維持できるので、朝の生産性は今までと比較にならないほど高くなります。
この最高な時間帯では、資格の勉強、副業をする、ジムで筋トレをする、など自分にとって優先順位の高いものをこの時間に充てるのがおすすめです。
食費を抑えることができる
これもシンプルな話、1日3食が1日2食になるので朝食分だけ食費を抑えることが出来ます。
例えば近くの吉野家で朝食セット(特朝定食)を毎日食べているとすると、1日約600円食費を抑えることが出来ます。年間20万円以上です。
また、浮いた分のお金は、作業するためのカフェ代や筋トレのためのジム代に充てるのが良いでしょう。
痩せる
健康を意識していない場合、朝食は先ほどのコンフレークやオートミール、白米、食パンを選ぶ人が多いかと思います。
朝食とは言えど、これらは糖質量が多く、激しい運動をしない人にとってカロリーオーバーとなっている場合が大半です。
1日2食とすることで、必然と総摂取カロリーが減るので、痩せやすくなります。
もちろん、運動と掛け合わせて健康に痩せるのが理想ですが、食べ過ぎだと自覚している人はまずは朝断食を優先して取り入れて見るのが効果的かと思います。
朝断食の具体的なポイント
断食時間の目安は16時間
朝断食する上で気にするべきポイントの一つが「何時間くらい断食すれば良いのか」ということです。
断食時間は長ければ長いほど、徐々に食べ物のことを考えなくなり、食欲で集中力を掻き乱されることが減ります。
とはいえ、全く食事を摂らないというのは栄養失調を引き起こし、体に大きな負担をかけることになります。
そこで、無理はせずに健康の観点でも目安としてほしい断食時間があります。それが16時間です。
16時間断食する場合の理想の食事スタイルは以下の通りです。
20時ごろには夜ご飯を食べて、次の日は朝断食、昼になったらいつも通り12時からお昼ご飯を食べる、というスタイルです。
このスタイルには2つのメリットがあります。
- オートファジーを機能させることができる
- 夜ご飯の時間が早くなる
1つ目の「オートファジーを機能させることができる」という点は、先ほども説明した通り、体内で古くなったタンパク質を分解して新しいタンパク質を作る働きが活発になるためには、断食時間を16時間作る必要があります。
今回の目的は集中力を高めることですが、体の健康を維持するということも長期的には集中力を維持することにつながるので、オートファジーは意識しておきたいところです。
2つ目の「夜ご飯の時間が早くなる」という点は、睡眠の質に関わる理由です。
断食時間を16時間確保するためには、昼ごはんと夜ご飯を何時に食べるかを考えます。
多くの人は昼休憩の時間が決まっているので昼ごはんの時間を変えるのは難しいかと思います。そうなると夜ご飯の時間を変えることで16時間の断食を確保することになります。
夜ご飯の時間を考える上で、考慮すべき点が夜ご飯を食べてから寝るまでの時間です。
夜ご飯を食べた直後は胃腸で消化・吸収が行われています。
この消化・吸収の働きは睡眠中は低下するため、睡眠直前に夜ご飯を食べると胃腸に食べ物が長時間滞留して、腸内環境悪化の原因になります。
腸内環境が悪化して睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が低下すると、睡眠の質が落ちます。
睡眠の質が低下して睡眠不足になると体内ではグレリンと呼ばれる食欲を上げるホルモンが増加します。
食欲を上げるホルモンが増加すると寝起きに無性に食べ物が食べたくなってしまい、朝断食が失敗する可能性が高くなります。
睡眠の質を確保するためにも夜ご飯と睡眠までの時間を空けるようにしましょう。
慣れるまでは朝に軽食を摂る
朝断食が集中力に良いと言われても、今まで習慣にしていた朝食を急に抜くと、初めのうちは空腹感を強く感じることが多くあります。
強い空腹を感じていると食べ物のことで頭がいっぱいになり、目の前のことに全く集中できなくなります。
目の前のことに全く集中できなくなった時は空腹感を我慢するのではなく、軽い朝食を摂って空腹感を解消することを優先しましょう。
どのようなことも徐々に体を慣らしていかないと、体にとっては強い負荷がかかります。
ただし、食べるものは下記を意識して選ぶようにしましょう。
- 糖質量が少ないもの
- GI値が低いもの
- 腹持ちの良いタンパク質、食物繊維の多いもの
- 時間をかけずに食べれるもの
私のおすすめは、個包装になっている素焼きナッツです。
特にナッツは、ビタミンEやオメガ3を多く含んでおり、脳の老化予防にもつながります。
1袋食べるだけでもレプチンが分泌されて満腹中枢神経が刺激されるので食欲が収まります。結果として、血糖値を上げて集中力を削ぐような食べ物を衝動的に食べることを回避することができます。
昼ご飯の血糖値スパイクに注意
昼ご飯は、朝断食をすることで半日以上食べ物を食べていない状態の胃袋に、食べ物を入れることになります。
そのため通常よりも消化・吸収の速度が高いため、高糖質なラーメンやうどん、パスタを食べると血糖値スパイクで血管を傷つける可能性があります。
昼ごはんは以下の4つを意識すると良いでしょう。
- ごはんや麺は少なめにする
- 野菜を最初に食べる
- 時間をかけてゆっくり食べる
- 腹6分目に抑える
また、上記を徹底することで血糖値の乱高下を抑えることができるので、昼ごはん後も高いパフォーマンスを発揮することにつながります。
このことから、昼ご飯の血糖値スパイクには注意しましょう。
夕食は何を食べてもOK
昼ごはんは気を付けるポイントがいくつかありましたが、夜に食べるものについては特にそういった制限をかける必要はないと考えています。
夜ご飯に制限をかけない理由は以下の5つです。
- その日に集中して取り組むべきことは終わっている(はず)だから
- 昼ごはんと比較して血糖値の乱高下が緩やかになるため
- 家族や大切な人と食事を楽しむことで、人とのつながりを大事にすることが長寿にもつながるため
- 友人や会社の上司からのご飯の誘いなど、自分ではコントロールできない場合が多いため
- 夜ご飯で好きなものを予定することで、適度に脳の報酬系を刺激して目の前のことに集中できるようになるため
1つ目の「その日に集中して取り組むべきことは終わっている(はず)だから」について、文字通り、日中に集中して何かに取り組む生活スタイルの前提とすると、夜にはやるべきことは終わっているはずなので、その日の集中力を気にせずに好きなものを食べるのが良いと考えています。
先ほどの食事スタイルに沿って夜ご飯を食べるとすると、夜20時ごろに夜ご飯を食べることになります。就寝を22時とすると、入浴や睡眠の準備をすると、何か集中して行う時間はあまり残っていません。
無理に徹夜するのではなく、その分朝早く起きてスッキリした状態で取り組むようにした方が全体的な生産性は高まります。
2つ目の「昼ご飯と比較して血糖値の乱高下が緩やかになるため」について、空腹時の血糖値上昇と空腹時でない時の血糖値上昇は異なる、ということです。
昼ご飯は食事の間隔が16時間であるのに対して夜ご飯は8時間です。食べ物が消化・吸収されるのには平均10時間ほど掛かるので、夜ご飯を食べるときは、前の食事で摂取した食べ物がまだ残っている状態です。
そのため、消化・吸収が完全に終わっている断食後と比較して、そうでないときは血糖値の乱高下が緩やかになります。
3つ目の「家族や大切な人と食事を楽しむことで、人とのつながりを大事にすることが長寿にもつながるため」について、さまざまな研究からも豊かな人間関係が長寿に繋がることがわかっています。
自分の取り組むべきことに集中するだけでなく、自分のためにも、同じ時間を過ごしてくれる目の前の人にも集中するようにしましょう。
4つ目の「友人や会社の上司からのご飯の誘いなど、自分ではコントロールできない場合が多いため」について、人それぞれかと思いますが、誰かと食事をすることが多いのは夜ご飯かと思います。
ふとした時に同僚や会社の上司から飲みの誘いがあったり、取引先との会食が入ったり、自分ではコントロールできない場合があります。そのような場合を想定して、夜ご飯はできるだけ厳密にルールを決めない方が私は良いと思います。
5つ目の「夜ご飯で好きなものを予定することで、適度に脳の報酬系を刺激して目の前のことに集中できるようになるため」について、その日の最後に自分の好きなものを予定することが、その日を頑張る活力になる、ということです。
以上のことからも、夜ご飯は何かルールを作るのではなく、自分の好きなものを食べることをおすすめします。
一点だけ注意点を挙げるとしたら、食べ過ぎは睡眠の質を低下させて翌日の寝起きに影響を与えるため、それだけは意識しておきましょう。
断食中の水分補給はOK
断食中は何も口に入れてはいけない、というわけではありません。
ポイントは「カロリーのあるものを食べていないか」ということなのでコーヒーやお茶、水は自由に飲んでも集中力に影響を与えることはありません。
また、脳の80%は水分で出来ていることからも想像できますが、体内の水分が不足するということは、集中力に影響するということがわかっています。
イースト・ロンドン大学とウェストミンスタ大学の研究によると、事前に500mlの水を飲んだグループと、飲まなかったグループに分けて集中力を要する作業を行ってもらった結果、前者は14%も反応に掛かる時間が短縮したことがわかっています。
集中力を維持し続けるためには、こまめに水を飲んで脳に水分を供給してあげることが有効であるということです。
したがって、集中力の観点でも、断食中の水分補給はするようにしましょう。
まとめ
朝断食以外にも、集中力を維持する方法について下記で記載しているので、気になる方は確認してみてください。