仕事を頑張るようになってからモノを買ったり甘いものを食べることが多くなった気がする。

頑張ってる一方で誘惑に弱くなった原因が知りたい。

今回はこのような悩みに応えていこうと思います。

誰もが自分が望んだ目標に向かって行動し続けることができたらどれだけ良いだろうと考えたことはないでしょうか。

芸能人のスキャンダルを見ると「自制心がないんだな」「自己コントロール力が弱いんだな」とその人の意志力に失敗の原因があるのではないかと思うかもしれません。

しかし、実は意志力が高い時ほどこのようなことが起こる可能性があるのです。

どういうことかと言うと、自分をコントロール出来ていると感じている時ほど誘惑に負けようとする力が働くという現象が起こることもあるということです。

これをモラル・ライセンシングと呼びます。

モラルライセンシングとは、個人が自分自身を道徳的に正しいと認識した行動や意思決定に対して、その後の行動で逆に道徳的に曖昧な行動を取りやすくなる心理現象を指します。つまり、過去の善行によって自己評価が高まり、それに伴い道徳的な規範を緩和させる傾向があることを意味します。この現象を理解することは、人々の道徳的行動を評価し改善する上で重要です。

ChatGPTより

この現象について皆さんも心当たりないでしょうか。

  • ダイエットしたのに、好きなものを食べてリバウンドする。
  • 禁煙キャンペーンに参加した後、終了直後に喫煙する
  • 寄付を行ったら、満足感で慈善活動から遠ざかる
  • ベテラン運転者だと思い込んでいる人が、道路交通法を無視する
  • ビジョンがあり社会的意義のあるビジネスをする会社が、安い労働力を搾取する
  • 正直で真っ直ぐあることを重視する政治家が、不正行為を行う
  • 公平さを強調する人が、他人に対して偏見を抱く
  • 公共の場でのマナーを重要視する人が、自宅では行動が粗野になる
  • 友人の問題にはアドバイスするが、自分自身の問題には無頓着である
  • 理想の結婚生活を重要視する人が、浮気をする

一応断っておきますが、これらの行動が悪いと言っている訳ではありません。

ここで言いたいのは、自身の価値観的には正しいと思っていることや目標に向かって行動をするとその反動で誘惑に負けたり逆の行動をしやすくなる性質がある、ということです。

理想は自分の目標に向かって正しいと思っていることを続けることです。

では、どうすればこの反動が出ないように自身をコントロールすれば良いのでしょうか。

今回はモラル・ライセンシングが起こってしまう原因と起こさないための具体的な対策について解説していきます。

モラル・ライセンシングが起こってしまう原因

考えただけでやったつもりになる

先ほどモラル・ライセンシングは自身の価値観的には正しいと思っていることを「する」と起こると言いましたが、厳密には自身の価値観的には正しいと思っていることを「考える」だけでも起こります。

私たちは何か正しいと思っていることをした、もしくは良いことをしようと思いついただけで、その反動で正しさに対する判断が曖昧になって衝動に従っても良いと思う特性があります。

  • ボランティア活動の説明会で話を聞いただけで、甘いお菓子を大量に買う
  • チャリティー募金にお金を寄付しようと思っただけで、自分のための買い物をしたくなる
  • 投資セミナーに行ったらお金持ちの仲間入りした気分になって、浪費する
  • To-Doリストを作って、今日の仕事はやり切ったと感じる

実際に行動してそれに対する報酬を設定するのは目標達成の一つの手段ですが、上記は行動が伴っていないにもかかわらず報酬を設定しているというのがポイントです。

このことからも、いかに私たちが実際にどのような行動をして、それに対してどんなご褒美を貰うべきなのかを正常に判断出来ていないことがわかります。

ご褒美に何かするときは、これはどの行動に対する報酬なのかを一度立ち止まって考えるようにしてみましょう。

脳が目的をすり替える

考えただけで達成感を感じるというのはつまり、脳が勝手にやるべき目的をすり替えてしまっていることに起因します。

ボランティア活動に参加しようと考えている人であれば以下のように目的をすり替えることがあります。

  1. 本来の目的
    ボランティア活動を通して地域活性や自分の住んでいる街をより良くしたい
  2. すり替わった目的
    ボランティア活動のコミュニティーにいることで地域活性や自分の住んでいる街に貢献していると感じたい

このように実際に行動して何かを変えることが目的ではなく自分の欲を満たすことが目的にすり替わっている、ということが日常生活本当に多くあります。

すり替わった目的が満たされると脳は前に進んでいると勘違いして目標とは反対の行動に出てしまう、ということは研究の結果からも証明されています。

シカゴ大学やイェール大学のビジネススクールの研究では、ダイエットを行なっている被験者に対して理想の体重にどれだけ近づいているかと確認しました。被験者はヒアリングの褒賞として林檎か高カロリーのチョコレートどちらかを貰うように選択を促したところ、進捗を確認しなかった人に比べて27%も多くの人が高カロリーのチョコレートを選択しています。

別の実験でも、試験勉強を何時間したかを確認した学生ほどその晩に飲み会やディナーで消費する確率が高くなることがわかっています。

頑張って行動したのは事実としてありますが、それを自覚したり、行動していないけど同等の感覚を味わうとその反動が出るということです。

前者は行動が伴っていますが、後者は行動が伴っていないにもかかわらず報酬を得ようとしている。わかりやすく言えば、前者は2歩前進して1歩下がっているのに対して、後者は1歩下がっているだけということです。

下がっているだけとならないためには「行動を本当にしたのか、目的は何か」を自己に対して強く監視する習慣が重要になります。

意志力が強いと思っている人も容易に挫折する

「誘惑に負けることはほとんどない」「自分はそんな影響を受けたりはしない」と思っている方もいるかと思います。

親の遺伝や育ってきた環境、今まで努力してきたことは人によって異なります。確かの上記の実験のように考えただけで誘惑に負けるということが殆どない意志力の強い人も沢山みてきました。

ただ自己評価で意志力が強いと思っている人と周りから見て意志力が強いと思っている人には「ずれ」があるようです。

ニューヨーク市立大学バルーク校の調査によると、ファーストフード店のメニュー表にサラダなどのヘルシーな食べ物を載せた時に、人は何を選択するようになるのかを調べています。意志力が強いと自覚しているしている人であれば、大半の人は高カロリーなものは避けてサラダを選択すると予想できますが、結果は違いします。結果としては意志力が強いと自覚している人はメニュー表にサラダが載っている時の方が、載っていない時よりも40%も多く最もハイカロリーな食べ物を選択することがわかっています。

つまり、意志力が強い人でもメニュー表に偽りの達成感を感じるもの(サラダを食べて健康になった気になる)を考えただけでモラル・ライセンシングが起きているということです。

もしくは、今日はチートデイだから明日からサラダを食べようと、後で行う予定を妄想してそのことに対する報酬を今得ようとする行動に出てしまっているということです。

意志力が強いと思っているのであれば、なおさらモラル・ライセンシングには注意が必要でしょう。

先のことを考えて妥協する

自分に言い聞かせるように「今日は楽しんでも大丈夫、明日頑張れば良い」という考え方はついしてしまう落とし穴の一つです。

  • 明日から勉強を多めにすれば、今日はサボっても大丈夫
  • 来月から貯金するから、今日は最後の楽しみにしよう
  • 明日掃除するから、今日はそのままにしておこう
  • 今日はお菓子屋やアルコールを気にせず飲み食いする代わりに、明日はサラダを食べよう

この、先のことについて楽観的な考え方をしてしまう習性について、ウィスコンシン大学とデューク大学による研究が行われています。

研究ではエクササイズ用品を購入した消費者が、その器具をどのくらいの頻度で利用するのかというアンケートに対して、実際よりも多く利用していると答える人が大半であることから、同様の実験を行なっています。その内容としては「週に何回運動した方が良いと考えているか」という理想の回数についてアンケートを集計して、実際の運動した回数を集計した時にどのような分布になるのかということを調べています。結果としては、理想の回数と実際の回数が乖離する人ほど、翌週以降の理想の回数と運動の回数がより乖離していくことがわかっています。

つまり、後で挽回しようとする目標設定が実際の行動と乖離した状態を生み出してしまっている、ということがこの研究よりわかります。

もちろん、挽回しようと目標を設定すること自体が悪いという訳ではないですが、「後で挽回すればなんとかなる」という考え方のもと目標設定すると上記の研究のように目標が行動と乖離していく可能性があります。

そのため、そもそも高い目標設定をすることは控えた方が良いかもしれません。

ハロー効果で誘惑に負ける理由を探す

良し悪しに関わらず、私たちは自分の行った判断や欲したものは正しいと思いたがる特性があります。

  • この高級バッグは品質が良いし投資にもなるから買おう
  • 本当に疲れていてストレス発散が必要だったからジャンクフードを食べるのは仕方がない
  • 生活がより便利になるし生産性が向上するだろうから最新のガジェットを買おう
  • 浮気したのは関係が冷めていたからで自分のせいじゃない
  • 高価な化粧品を買うのは自信を持つためで必要なもの

このタイプの誘惑に負ける時に、人は誘惑に対して肯定する理由を無理にでも探そうとしてそこだけを見て判断しようとします。

これはハロー効果による影響です。

ハロー効果は、印象形成において初めの情報が後続の情報に与える影響を指します。例えば、初対面の人が第一印象で良い印象を与えると、その後の行動や性格に対しても好意的な評価が高まりがちです。逆に初対面で悪い印象を与えると、後の行動が否定的に評価されることがあります。ハロー効果は、人間関係や広告、評価などの多くのコンテキストで影響を与え、認知バイアスの一つです。

ChatGPTより

心からしたいことであれば問題ないですが、いけないと思っていてもやってしまう気持ちが収まらない時、私たちはなんでも良いから正当化する理由を見つけて楽しようとするわけです。

身近の中でもハロー効果を使っているのが食品です。例えば以下のようなものです。

  • 低糖質
  • オーガニック
  • グルテンフリー
  • 糖類0
  • ゼロカロリー
  • 産地直送
  • 100%〜

これらの表記を見るとあたかもそれだけで健康に良い食品なのではないか、という錯覚を覚えます。

もちろん健康に良い影響を与えるものもありますが、ポイントはこの表記だけを見て健康的な食品だと判断してしまう効果があることです。

これを健康ハロー効果と呼びます。

表記だけでなく、ハンバーガに緑鮮やかなレタスが挟まっているとそれが健康ハロー効果を生じさせ、あたかも健康に悪い食べ物ではないような印象を受けます。

食品業界に限らず、企業のマーケティング担当はこのハロー効果を熟知しています。

99%悪いものでも、1%の良いポイントを強調することで、人はその良いポイントに目が眩んで、長期的な目標に反するにも関わらず、良いことをしたという気分になります。

このハロー効果は消費社会のあらゆるところ、そして自分の中に存在します。

行動を狂わされそうになっている時、自分が誘惑に負ける理由を探そうとしていないか一度立ち止まって考えてみましょう。

モラル・ライセンシングの対策

自分の意志力に期待しない

ファーストフード店にサラダを追加すると最もハイカロリーなものを選択する人が増えるという調査からも分かる通り、私たちの意志力というのは当てにならないことが往々にしてあります。

特に現代は「超常刺激社会」と呼ばれており、スマホやジャンクフード、SNSなどのインターネットやゲームなど人間の脳をハックするようなコンテンツでそこら中に溢れかえっています。

この社会の中でどの誘惑にも動揺せずに、自分がやるべきと考えている理想通りに行動するというのは意志力だけではかなり困難です。

自分の意志力に期待したり依存するような考え方は容易にモラル・ライセンシングを起こしてしまうことにもつながります。

意志力ではなく環境を変えることで行動が変わるように工夫しましょう。

明日も同じ行動をすると考える

先のことについて楽観的な考え方をしてしまう習性がある、ということはウィスコンシン大学とデューク大学による研究にて説明した通りです。

これは「明日こそは今日の自分とは変わっているだろう」という考え方が前提になっています。

この楽観的な考え方から抜け出すには、「今日やった行動は明日も同じ行動をする」と考えることが重要です。

仮にあなたが禁煙を考えているとします。今日タバコを1本吸えば、明日も同じくタバコを1本吸うでしょう。明日タバコを1本吸うとしたら明後日もまた1本吸います。

次の日もまたその次の日も同じ行動をするのであれば、禁煙するには今日タバコを1本吸うことを止めるしか方法はありません。

明日の自分に期待してはいけません。明日やろうを毎日続けているといつになってもその日がやってくることはありません。

明日からがんばるんじゃない!今日…今日だけがんばるんだ!今日をがんばった者…今日がんばり始めた者のみに明日が来るんだよ

『賭博破戒録カイジ』より

今この瞬間に全集中する

明日も同じ行動をしてしまうという前提であれば、今日の自分が今の行動を変えることでしか、モラル・ライセンシングから抜け出す方法はないということです。

つまり、明日のことを考えるのではなく「今この瞬間に全集中する」ことがモラル・ライセンシングを起こさない最も重要なポイントになります。

今この瞬間に集中する方法はいくつかあります。例えば以下のような方法です。

  1. 行動を習慣化する
  2. 環境を整える
  3. 良質な睡眠をとる
  4. 運動をする
  5. 食生活を整える
  6. 瞑想する

一つずつ説明していきます。

行動を習慣化する

今この瞬間に全集中する1つ目の方法は、行動を習慣化することです。

人が1日に発揮できる意志力には限界があります。

限りあるリソースを最大限、集中したいことに向けるためには、悩んだり不要な意思決定をする回数を減らすことがポイントです。

体は行動することで疲れますが、脳は悩んだり意思決定を繰り返すことで疲れていきます。

つまり、普段の生活の中で判断することが多ければ多いほど脳は疲れてしまい、本当に集中したいときに、高い集中力を発揮する力がなくなってしまいます。

そこで有効なのが行動を習慣化することです。

行動を習慣化するとやることが必然と決まるので、その動作に対して悩んだり判断したりという事が必要なくなるため、本当に集中したいときに、脳をフル稼働させる事ができるようになります。

習慣化する上で重要となるポイントは3つです。

  1. 選ぶことをやめる
    毎日やることに意志力を使わないようにするためには、選ぶことをやめるのが効果的です。選択肢が多いほど、迷いが多くなって意志力を消費します。逆に言うと、選択肢を減らして選ぶことをやめることができれば、それだけ集中力を高めることができます。
  2. マルチタスクをやめる
    脳は集中する対象を切り替えるためには時間が必要で、数秒以上かかることがわかっています。さらに、集中する先を切り替えた後に、その作業に100%集中できるようになるには数分以上かかると言われています。マルチタスクというのは生産性も低下し、集中力が切れてしまう原因なので、可能な限りシングルタスク化を図りましょう。
  3. 後回しにしがちな事は今すぐやる
    面倒なこと・やりたくないことというのは後回しにしがちですが、後回しにすると脳が無意識下でそのことについて考えてしまうため、継続的に脳のエネルギーを使ってしまいます。「if-thenプランニング」という手法で「このような場合はこう動く」とあらかじめどう対処するか決めておき、後回しにする癖を減らすことが有効です。

環境を整える

今この瞬間に全集中する2つ目の方法は、環境を整えることです。

気合でなんとか集中する!というのは、その日のモチベーション頼りになってしまいます。調子が良い時は集中できますが、落ち込んでいたり悩みや不安が募っているときはすぐ気が散ってしまったり、とモチベーションをコントロールするのは難しいものです。

そのようなときは自分自身を変えようとするのではなく、環境を整えることが重要です。

現代は集中力が切れてしまうような障害や誘惑がそこら中に隠れています。

スマホの通知、洗い物の山、散らかっている私物、周囲の雑音、冷蔵庫に入っているスイーツなど数え切れない障害・誘惑があります。

これらの障害・誘惑を全く気にせずに集中するというのは、やはり強靭なメンタルが必要になります。そのため、それれらの障害・誘惑に惑わされないような環境作りをすることが集中力を高める一歩になります。

環境を整える上で、重要なポイントは3つです。

  • スマホを近くに置かない
    一日平均2600回も触ると言われているスマホは私たちの注意力と集中力を一瞬で奪うものです。身近に置いてしまいがちなスマホですが、近くに置かない習慣をつけるようにしましょう。おすすめは玄関に充電スタンドを設置して、スマホの居場所を作ってしまうことです。これによって基本的に生活範囲とスマホを物理的に隔離することが出来るので、集中力を維持することができます。
  • 使わないものは片付ける、捨てる
    ものが散らかっている部屋というのは、それだけで人の集中力奪います。これは、周囲に何か障害となるものが視界に移ると、それを不安や恐怖などの感情を司る扁桃体が活性化してしまうからです。目の前のことに集中したくても、無意識でそのものに注意が向いてしまうため、物が多くある部屋というのはそれだけで集中力を奪ってしまいます。使わないものは片付ける、もしくは捨てましょう。
  • 集中する対象しかできない環境を作る
    集中したい環境を作るために、「食事・寝る部屋」「集中する部屋」のように、空間的に分けることは、目の前のことに集中する上で有効な手段です。座り心地の良いソファやベット、冷蔵庫、スマホがある近くに作業机があると、それらの誘惑に意識が取られて集中できないということが起きてしまいます。それ以外できない環境を作り出すことで他のことに気を取られなくなり集中力を持続出来るようになります。

良質な睡眠をとる

今この瞬間に全集中する2つ目の方法は、良質な睡眠をとることです。

日中の集中力を持続するために不可欠なのが「良質な睡眠」です。

睡眠不足は前頭前野機能が低下するため、判断能力の低下、ストレス耐性の低下、そして集中力の低下につながります。

よく徹夜して勉強したり仕事をする方がいますが、睡眠不足の状態では生産性は落ちていますし、記憶の定着もしづらくなっているので非常に効率が悪い状態と言えます。

睡眠というのは体を休めるというだけでなく脳を整理整頓する時間でもあります。

寝ている間も脳は動いていますが、睡眠が深くなるほど脳波の振幅は大きくてゆっくりとしたものになります。この間に日中に見たことや聞いたことなどの情報を記憶として定着させようと働きます。

良質な睡眠をとる上でのポイントは下記になります。

  • 入眠90分の睡眠の質を上げる
    睡眠の質を決める最も重要な時間帯というのが入眠してから最初の90分です。この時間は睡眠の中でも最も眠りが深いノンレム睡眠となっており、睡眠全体に占めるノンレム睡眠の大半は時間帯が占めています。ノンレム睡眠の質が良いほど心身ともにリラックスすることができ、自律神経が整うだけでなくホルモンバランスが良くなります。特に人の成長に関わるグロースホルモンはこの90分のノンレム睡眠時に睡眠全体における70%が分泌されます。したがって、日中消耗した集中力を回復し、翌日も高い集中力を発揮するためには、入眠90分の睡眠の質を上げることが重要になります。

良質な睡眠をとる方法については下記で紹介しています。

【睡眠の質】良質な睡眠をとるためにすべきこと4選

今回は良質な睡眠をとるための方法について紹介しようと思います。 皆さんは、睡眠の質について考えたことありますか?人によってはなかなか寝付きが悪く、熟睡がほとんど…

【快眠】夜眠れるようになる食べ物・眠れなくなる食べ物

眠れるようになる食べ物 先に眠れるようになる食べ物を述べると以下の2グループの食材です。 いかがでしょうか?この2グループの食べ物を見てどのような分別がされてい…

運動をする

今この瞬間に全集中する3つ目の方法は、運動をすることです。

集中力を高めることと運動をすることには関係がないと思うかもしれませんが、体を動かすことは脳に非常に大きなメリットをもたらすことが多くの研究でわかってきています。

運動を行うと、ニューロンのつながりを強めて脳回路をより強固なものとすると同時に、海馬でニューロンの親である幹細胞を生成してくれるようになります。

また、ニューロンの新生に欠かせない栄養因子であるBDNFやVEGFなどが盛んに供給されるようになり、脳の成長を後押ししてくれます。

このような変化は最終的に脳の能力を向上させ海馬や前頭前野が発達し、今この瞬間に集中するための集中力の向上につながります。

集中力向上のために運動をする上で有効な方法は下記になります。

  • HIITを取り入れる
    HIITとはHigh Intensity Interval Trainingの略で直訳すると「高強度インターバルトレーニング」で負荷の高い(高強度)運動と休憩(インターバル)を短いスパンかつ短時間で交互に行うトレーニングのことを指します。このHIITというのは短時間で行えるだけでなく「有酸素運動」と「無酸素運動」それぞれの運動効果を得られる非常に効率的な運動法です。
  • 有酸素運動を取り入れる
    無酸素運動と比較して、有酸素運動はBDNFやVEGFの分泌が盛んに行われるため、集中力を高めるという点において有酸素運動を日常的に行うことは良いということがわかっています。具体的には最大心拍数の70%前後の有酸素運動を週5回30分以上行うことが効果的です。運動のための時間が取れない方は、エレベーターではなく階段を使ったり、早めに家を出て一つ前の駅から歩くなど、生活の中に中程度の負荷がかかるような運動を取り入れるだけでも効果があるので、少しでも良いので取り組んでみてください。

HIITのやり方については下記に書いています。

【コスパ最強】人生を変える超効率的運動法「HIIT」とは ~少しの努力で最大の成果を~

今回は人生を変える超効率的運動法ついて解説していこうと思います。 みなさん運動はしていますでしょうか。厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、運動習慣のあ…

食生活を整える

今この瞬間に全集中する4つ目の方法は、食生活を整えることです。

人の体は食べたもので出来ています。

脳は常にエネルギーを消費しており、何かに集中しているときというのは特に多くのエネルギーを必要とします。集中するためにはエネルギーを食事から十分に摂取するということ以外にも、何を摂取するのかということも重要になってきます。

集中力を高めるために特に重要になってくるのは2点です。

  • 低GI食品で血糖値スパイクを防ぐ
    パンやご飯、麺類などの糖質中心の食事を摂ると、食後30分ほどで、「血糖値スパイク」が体の中で起こります。血糖値スパイクによって急激に血液中の糖質量が増え、インスリンの大量分泌により、血液中のブドウ糖が減ると、脳の活動エネルギーとして十分に供給されなくなるため、集中力低下につながります。対して低GI値の食品は血糖値の上昇が緩やかなので、脳に継続的にエネルギーを供給できるようになり、集中力を保つことができるようになります。
  • 水をこまめにとる
    イースト・ロンドン大学とウェストミンスタ大学の研究によると、事前に500mlの水を飲んだグループと、飲まなかったグループに分けて集中力を要する作業を行ってもらった結果、前者は14%も反応に掛かる時間が短縮したことがわかっています。つまり、集中力を維持し続けるためには、こまめに水を飲んで脳に水分を供給してあげることが有効であるということです。

低GI食品は下記で一覧を表にしています。

【保存版】GI値とは? 低GI食品がダイエットに最適な理由【GI値一覧掲載】

今回はこのような悩みに応えていこうと思います。 「夏までに痩せたい。。」「恋人を作るために良い体を作りたい。。」「いつまでも元気でいるために健康的な体を手に入れ…

瞑想する

毎日の意志力を高め、目の前のことに集中する方法として瞑想があります。瞑想という言葉を聞くと、実態がなく何か宗教的な怪しさを感じた人もいるかもしれませんが、それは大きな誤解です。

瞑想は集中力を高める化学的な裏付けがあり、現在ではGoogleやUCLAなど誰もが知っている企業や大学でも導入されている非常に有効な手段の一つです。

そのような瞑想にもいくつか種類がありますが、私のおすすめは以下の5つです。

  • マインドフルネス呼吸法
  • モンキーマインド解消法
  • ムーブメント瞑想法
  • RAIN
  • メッタ瞑想法

上記のどれかを1日5分で良いので朝起きたら取り入れてみてください。すぐに効果が出るというわけではないですが、1ヶ月以上継続することで、今までとは比べものにならないくらい頭の中がスッキリして高い集中力を発揮することができるようになります。

具体的なやり方については下記の記事で解説しています。

【マインドフルネス】不安や悩みが解消する瞑想法5選 科学的に脳を休ませる方法とは?

基本的な瞑想法であるマインドフルネス呼吸法から説明します。この瞑想法はこのような時におすすめです。 注意散漫になっている時 無気力で何もやる気にならない時 ちょ…