今回は私が今までに実践してきた本当におすすめしたい食習慣についてTOP20を紹介します。専門家の本や論文をもとに効果的であると実感しているものに厳選して紹介します。一つでも新しい発見があればぜひ実践してみてください。

野菜を毎日350g以上食べる

「長生きするには何を食べればいいの?」と聞かれたら、私は迷わず「野菜」と即答します。食習慣で最もおすすめしたいのが野菜を食べることです。

食べ物と健康に関する研究はたくさん行われていますが実際は白黒はっきりしていないものが大半です。白黒はっきりしない中でも「体に悪い」といった研究結果を見たことないものがあります。それが野菜です。

野菜をどのくらい食べれば良いのかについては厚生労働省が出している『健康日本21』で書かれています。この資料では、一日に350gを目安として野菜を食べるのがよいとされています。1 350gの野菜を食べてない人は、まずこの量食べるようにしましょう。

また、350gよりもさらに多くの野菜を食べるとどうなるのでしょうか。2021年にアメリカのブリガムヤング大学で行われた研究では、野菜を食べる量が100g多くなるにつれてテロメアの長さが寿命換算1.9年分も長かったことがわかっています。つまり、野菜を多く食べるほど細胞の老化が遅くなるということです。

野菜が体に良い理由や効率的に食べる方法ついて、下記で紹介しています。

【野菜入門】野菜を効率よく手軽に食べる方法7選 野菜の健康効果と食べる時のポイント

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ベジファースト・カーボラストを徹底する

ベジファースト・カーボラストとは、食物繊維の多い野菜を最初に、炭水化物を最後に食べることで血糖値上昇を抑えるための食事法です。実際に、2014年に大阪府立大学で行われた調査では、炭水化物を摂取する前に野菜を摂取することで60分後の血糖値上昇が抑えられたことが分かっています。2

ベジファースト・カーボラストを実践し、血糖値上昇が抑えられると以下のようなメリットがあります。

ベジファースト・カーボラストのメリット

  1. 糖尿病の予防になる
  2. 心血管疾患のリスクを低減する
  3. 高い集中力を維持できる
  4. エネルギーが安定供給される

果物を食べる

果物は野菜の次に食べるべきものです。果物にも野菜のように体にプラスとなる栄養を多く含んでいるものがあります。

2012年にドイツのヌーテタールの研究機関で行われた大規模なメタ分析では、野菜と果物をたくさん食べる人ほど、高血圧、動脈硬化、心疾患、脳卒中、ガンのリスクが低減することが分かっています。他にも肥満や第二型糖尿病などさまざまな生活習慣病に効果があることが示されています。3

果物の中でも「栄養」「手軽さ」「価格」の観点から、特におすすめの果物TOP3は下記です。

個人的おすすめ果物

  1. ブルーベリー(特に冷凍ブルーベリー)
  2. バナナ
  3. ザクロ

健康に良いとは言っても、果物には果糖が多く含まれているので食べ過ぎには注意しましょう。

ブルーベリーやザクロについて、詳しく下記で解説しています。

【スーパーフード】ブルーベリーが健康に良い理由と美味しく食べる方法!

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【スーパーフード】ザクロが健康に良い理由と美味しく食べる方法!

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水分をこまめにとる

天然水をわざわざ買っている人の気持ちが分からなかった私ですが、今ではamazon定期便で天然水を購入しています。

体の60%が水分で構成されている4ことからも分かる通り、水分は生命維持と健康維持に不可欠です。水分が不足すると体温調整が上手くされなかったり、認知機能の低下につながるので注意が必要です。

1日にどれくらい取れば良いか気になるかと思いますが、実は信憑性の高い研究結果が揃っておらず決まっていないと言うのが現状です。ある文献を参考にするとしたら、活動レベルに応じて1日に2.3L〜3.5L程度の水分を食事含めて摂取するのが良いとされています。5

水分をこまめにとる方法として、おすすめは定期便で以下のようなペットボトル天然水を箱買いすることです。重いものを自分で運ぶ必要がなくなりますし、自販機で買うよりも断然お得です。

ウォーターサーバーを設置するというのもありますが、「コスト」「メンテナンスの手間」を考えると個人的にはイマイチだと思っています。もちろん、お金が気になる方は水をわざわざ買う必要はありません。日本は蛇口から十分飲める水が出てきます。こまめに飲むようにしましょう。

小腹が空いたらナッツ、ハイカカオチョコを食べる

お昼過ぎの小腹が空く時間になると、気が抜けてフラペチーノやクッキーなど甘いお菓子を食べていないでしょうか。小腹が空いた時に食欲をいかにコントロールするかが、高い集中力と体型維持に大きな影響を与えます。

食べずに我慢するのはしんどいので、以下の特徴がある食べ物を選ぶのがおすすめです。

小腹が空いた時に選ぶべき食べ物の特徴

  1. 低糖質
  2. 加工度が低い(揚げる、添加物が多い等)
  3. 個包装(食べ過ぎ防止)

これらの特徴がある中でも個人的おすすめが以下のような素焼きナッツとハイカカオチョコです。ナッツはビタミンEやオメガ3を多く含んでおり、脳の老化予防にもつながります。また、ハイカカオチョコレートにはカカオポリフェノールやフラボノイドなどの抗酸化作用を含んでおり、アンチエイジング効果があります。ただし、どちらも脂質が多くカロリーが高いので食べ過ぎには注意しましょう。

オリーブオイルを積極的にとる

油と聞くと唐揚げやスナック菓子に使われている悪者と思われるかもしれません。ただ、油にも悪い油と良い油があります。オリーブオイルは積極的にとってほしい良い油の一つです。

オリーブオイルは腸内を良くしてくれたり、肥満の防止になったり、体に良い効果がたくさんあります。個人的に有効だと思っているのが、血糖値上昇を抑制して糖尿病の予防をしてくれることです。

2019年に行われた研究では、インスリンの働きが低下した2型糖尿病を発症したマウスに対してオリーブオイルを摂取させたところ、すい島(すい臓の中にあるインスリンを作る細胞の塊)の機能が改善してインスリンの働きが回復したことを報告しています。6

オリーブオイルはサラダにかけたり、炒め物の油に使う、そのまま食べることもできます。加熱せずに使うことで炎症の原因である過酸化脂質を減らすことができるのでより効果的になります。

また産地や抽出方法の違いから、数多くのオリーブオイルが存在しています。その中で、オリーブオイルを選ぶ時の個人的なポイントは以下の3点です。

オリーブオイルを選ぶ時のポイント

  1. 酸度の低いエキストラバージンオリーブオイルを選ぶ
  2. 酸化しづらい遮光ボトルか
  3. 地中海地域(イタリア、スペイン、ギリシャなど)の高品質なオリーブを使っている

オリーブオイルについては以下でも紹介しています。

【良質なオイル】オリーブオイルの健康効果 どんなオリーブオイルを選ぶべきか

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青魚からDHA、EPAをとる

サバやイワシなどの青魚に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は不飽和脂肪酸の一種です。脂質の一種ですが、摂取することで体内に溜まっている中性脂肪を減少させ、内臓脂肪がつきにくくなる効果があるとされています。また、血管内の悪玉コレステロールを減らすことで動脈硬化予防も期待できます。

1日の摂取量は1000mgが適量とされています。煮たり、焼いたりするとDHA、EPAが抜けてしまうため、刺身やホイル焼きにして食べるのがおすすめです。青魚を食べれなかった日は以下のサプリメントでDHA、EPAを補うようにしています。

GI値の低い食品をたべる

GI値とは、食品に含まれる糖質によって血糖値がどれくらい上昇するのかを、グルコースを「100」として相対的に数値化した指標になります。このGI値が高いほど血糖値が上昇しやすいということです。逆にGI値が低い食品は血糖値が上昇しづらく、高い集中力が維持できたり糖尿病の予防にもつながります。

具体的にGI値の低い食品は以下のようなものがあります。

GI値の低い食品

  1. 玄米や五穀米
  2. ナッツ類や豆類
  3. 緑黄色野菜
  4. きのこ類

詳しくは以下にまとめています。

【保存版】GI値とは? 低GI食品がダイエットに最適な理由【GI値一覧掲載】

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不足している分をサプリで補う

厚生労働省の調査によると、日本のサプリメント摂取者の割合は約3人に1人のようです。幅広い年代で摂取されており、年代が高くなるにつれて摂取する割合が増える傾向にあります。7 

パンや麺類など炭水化物に偏った現代食はビタミン類、ミネラル類が圧倒的に不足しています。日頃から食事に気を遣っている人でも、毎日全ての栄養を十分に摂るのはかなり難しいです。そのため、その日に不足した栄養素はサプリで補うようにするのが良いです。

注意点があります。マルチビタミンのサプリを摂取してるから野菜は食べなくても良い、オメガ3のサプリを摂取しているから青魚は食べなくても大丈夫とサプリに依存した生活が続くと、食事から積極的に栄養摂取することを怠るようになります。サプリは栄養補助食品であり、あくまでも補助的な位置付けです。サプリを一切取る必要のない、補助の必要ない食生活が理想です。

プロテインをとる

プロテインは筋トレしている人が飲むもの、という印象から避けている人もいるかもしれませんが、十分なタンパク質摂取は非常に重要です。そもそもですが、タンパク質は主に以下の3つの役割を担っています。

筋肉・爪・髪など
作る

体を構成する細胞の主成分となることで、筋肉や爪、髪などをタンパク質から作ります。

ホルモン生成の
材料になる

内臓が正常に機能するために必要なホルモンの生成の材料になります。

エネルギー源になる

人間が生命活動を行う上でのエネルギー源となります。1gで4kcalのエネルギーを生み出します。

では、どれくらいタンパク質を摂取すれば良いのか。1日のタンパク質摂取量と筋肉量の関係を調べた、49の論文を元にしたメタ分析があります。この分析によると体重1kgあたり1.6gまでタンパク質摂取量を増やすと筋肉量が増加すると示されています。8 この量を食事から摂ろうとすると鶏むね肉・ブロッコリー生活を余儀なくされます。そのため、食事から十分なタンパク質が摂れない時はプロテインから摂取するようにしましょう。

プロテインについては下記で詳しく紹介しています。

【ダイエットしたい向け】プロテインの飲み方と種類について

今回は「プロテイン」について取り上げてみようと思います。 おそらく多くの人はプロテインというと「筋トレしてるマッチョが摂ってるやつ」というイメージが強いかと思い…

高糖質な食事前は亜鉛とクロムをとる

特に、うどんやパンなどの高糖質な食事をする前に亜鉛とクロムをサプリで摂取するのがおすすめです。その理由は血糖値を下げるために必要なインスリンが十分に分泌されるようになるからです。血糖値を下げるためには、膵臓から分泌されるインスリンが必須です。インスリンの材料として亜鉛とクロムが使われます。

この亜鉛とクロムは、主に魚介類や豆類に多く含まれています。いずれも必要量は微量なので食事で十分に摂取できますが、不足している時はサプリで補うようにしましょう。

逆に、ファーストフードやコンビニ弁当などの加工食品に含まれる食品添加物には亜鉛の吸収を阻害するものもあるため、控えましょう。

砂糖が入ったお菓子やジュースを食べない

現代人の贅肉は砂糖でできています。街中の飲食店を想像してみてください。スターバックスでは超ハイカロリーなフラペチーノが好まれて注文され、チェーンのうどん屋やイタリアンの店は大盛況です。野菜ばかり好んで食べている草食動物はほとんど見かけません。

もちろん人それぞれ食の好みは違いますし、何を食べるのかは自由です。しかし、服を脱ぐたびにお腹周りの贅肉を気にせずに生活したいのであれば、以下のことを徹底するようにして見ましょう。

白い砂糖の入ったお菓子やジュースは食べない

「当たり前じゃん!」と全ての人が思うかもしれません。しかし、理解していてもほとんどの人が砂糖の誘惑に負けて体に溜め込んでいます。「分かる」と「出来る」の間には圧倒的な差があります。「出来る」まで到達するためには、小さいことから実践することが重要です。砂糖を避ける方法としては例えば以下のような方法があります。

砂糖を避ける方法

  1. ゼロカロリーコーラなど砂糖の代わりに甘味料が入っている食べ物・飲み物に置き換える
  2. 白い砂糖の入ったお菓子やジュースを備蓄しない
  3. ナッツや冷凍フルーツ、炭酸水を蓄えておき、空腹を満たす
  4. 砂糖がどれだけ体に悪いのかを科学的根拠をもとに理解する

最後に砂糖がどれだけ体に悪いのか根拠を付け加えておきます。

2017年に行われたメタ分析では、砂糖や人工甘味料が入った清涼飲料水を習慣的に飲んでいる人はそうでない人に比べて肥満のリスクが有意に上昇したことがわかっています。9 他にも甘い飲み物と体重増加に関する研究は多く行われています。研究条件によっては体重増加と関係ないと示している論文も存在します10が、少なくとも「痩せる」という研究結果を出している論文は見当たりません。

人工甘味料は控える

砂糖の代わりに甘味料が入っている食べ物・飲み物に置き換える」と言った手前ですが、人工甘味料は摂らないに越したことはありません。

避けるべき人工甘味料

  1. スクラロース
  2. アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)
  3. アセスルファムK

これらの人工甘味料が健康に悪い理由については、下記で説明しています。だた、人工甘味料は1900年代初頭に開発されてから、まだ100年ほどしか経過していないので、実際のところ白黒はっきりしていないのが実情です。私はプロテインから人工甘味料を少なからず摂取していますが、甘みがないプレーンタイプを混ぜたり、隔日で飲むようにして過剰摂取とならないようにしています。

【危険】避けるべき人工甘味料 避けるべき理由について論文を元に説明

実際に食べてみると、糖質が入っているものと同じように甘さを感じるにもかかわらず、ゼロカロリー。 その理由は、砂糖などの代わりに人工甘味料と呼ばれる、人間が甘味…

「砂糖、人工甘味料は避けたいけど甘いものが食べたい!」という人には以下の甘味料が入っている食べ物を探してみましょう。

おすすめの甘味料

  1. ステビア
  2. デーツ
  3. アップルソース

液体と固体で異なりますが、天然のハーブであるステビアは砂糖の300〜1000倍甘いと言われています。かなり甘い成分を含んでいますが、糖分子を含んでいないのでエネルギーにはなりません。血糖値スパイクを起こすことはないため、健康に気を遣っている人が甘いものを選ぶ時の選択肢の一つになるかと思います。

カロリー制限する

カロリー制限が寿命を延ばすことを報告したアカゲザルの実証実験、通称「モンキープロジェクト」は知っている人も多いかと思います。

この実験ではアカゲザルのカロリー摂取量を70%に制限して寿命が変わるのか調べています。アメリカ国立老化研究所とウィスコンシン大学による20年以上にもわたる実験の結果、カロリー制限を行ったアカゲザルについて、がんや心血管系疾患の発症率が大幅に減少したことがわかっています。さらに、3分の1は寿命が40歳(人間換算で120歳)を超え、そのうちの1匹が世界長寿記録を更新したと報告されています。11 12

もちろんサルだけでなく人でも効果があることを示した研究があります。ワシントン大学で行われた実験では必要なビタミン、ミネラルを適切に摂取しつつ、エネルギー摂取量を 20-30%減らすことで、心血管系疾患の発症リスクが、劇的に改善すると報告しています。13 

16時間の断食をする

カロリー制限が寿命を延ばすと言われても、実際にカロリーを制限するのはしんどいですよね。1日3食の食べる量を3割減らすにも、「あと少し食べても大丈夫!」と考えてしまい結局カロリー制限できていない、ということが私も何度もありました。

しかし、現在は毎日3割のカロリー制限を達成できています。継続的に達成できるようになった一番の要因は断食時間を作ったことです。具体的には以下のスケジュールのように夜ご飯から翌日の昼ごはまでの時間は何も食べないことにしています。

断食をし始めた頃は朝になるとお腹が空きますが、徐々に空腹感が減って朝食抜きが慣れてきます。16時間と聞くと長く感じますが、実際は半分は寝ているのでそこまで苦痛を感じないパターンの断食かと思います。

この16時間という数字には理由があります。16時間断食を行うと体内で、細胞内の古くなったタンパク質が分解され、新しくなる「オートファジー」という機能が働きます。オートファジーが働くことで老化の原因となる炎症を低減させアンチエイジング効果が見込まれます。また、断食を行うと食べる絶対量が減るので食費が浮くというちょっとしたメリットもあります。

他にも断食には様々な効果があります。そのことについては以下で紹介しています。

【今に集中】集中力をさらに高める「朝断食」のすすめ 具体な断食のポイントについても紹介

今回はこの悩みについて答えていきます。 先に結論を述べてしまうと、「朝断食」を取り入れてください。 「若者の〇〇離れ」というフレーズに沿って、「10代20代の若者が…

加工肉は食べない

ハム、ソーセージ、ベーコン、ホットドッグ、ペパロニ、コンビーフなどの加工肉が体に良いと思っている人はおそらくいないと思います。なぜ、体に良くないと言われているのか。具体的には加工肉には以下の特徴があるからです。

加工肉が体に良くない理由

  1. 塩分の過剰摂取
    加工肉には塩分が多く含まれています。塩分の過剰摂取は高血圧や心臓病のリスクを増加させる可能性があります。
  2. 保存料
    保存性を高めるために保存料などの添加物が使用されることがあります。これらの成分が過剰に摂取されると、アレルギーや消化器官への悪影響が懸念されます。
  3. 亜硝酸塩と亜硝酸化合物
    発色を良く見せるために亜硝酸塩や亜硝酸化合物がよく使われます。これらの化合物は高温調理で発がん性のニトロソアミンを生成するため、がん発症のリスクを増加させるとされています。

体に良くないというのは分かっているけど、実際美味しいですよね。自分で選択できる状況にあるのであれば、「添加物が少ない」「特別な日だけにする」など制限を掛けることで食べ過ぎに注意するようにしましょう。

アルコール摂取は20gまで

結論としては、お酒は積極的に飲むことは推奨されないようです。

先に、アルコールが体に良いのではないかということを示した研究について紹介します。

2018年に行われた40歳〜69歳の日本人男女102,849人を対象とした10年間の追跡調査では、週140g程度のアルコール摂取であれば、がんや心筋疾患、脳血管疾患などの病気のリスクは上昇しないどころか、少しだけ低くなるということを示唆しています。14

類似の研究としてスウェーデンでの大規模コーホート研究でも、週140g程度のアルコール摂取では総死亡率に有意な上昇は見られませんでした。15

また、アメリカで行われたメタアナリシスでは、週200gまでの飲酒が総死亡リスクの低下と関連していることも報告されています。16

ここまで読むと、お酒は積極的に飲んだほうが良いと思うかもしれません。しかし、これらの研究ではお酒を飲むことで健康になったということは証明されていません。というのも、上記の研究はアルコール摂取量と病気の相関関係であって因果関係を示しているものではないからです。

2つ目のスウェーデンで行われた研究を例に挙げると、お酒を全く飲まない人の方が総死亡率リスクが高くなっているのは、お酒以外の原因がそうさせている可能性があるからです。具体的に下記のような場合です。

お酒を飲まない人の総死亡リスクが高くなっている要因

  1. 健康上の理由でアルコールを飲むことが出来ないから
  2. アルコールが買えるような経済状況ではないから
  3. 高齢でアルコールの摂取を控えているから

お酒を飲まない人の中には上記のような人が含まれているため、端的に「お酒を適量飲むことは健康に良い」と判断するのは難しいとされています。また、ある研究では、高血圧、脳出血、乳癌などの病気について、適量でも発症リスクが上昇するとも報告されています。17

そのため、厚生労働省からも下記のように、積極的にお酒を飲むことは推奨しておらず、多くてもアルコール摂取を1日20gまでに留めることが推奨されています。

通常のアルコール代謝能を有する日本人においては「節度ある適度な飲酒」として、1日平均純アルコールで約20g程度である旨の知識を普及する。
なお、この「節度ある適度な飲酒」としては、次のことに留意する必要がある。
1) 女性は男性よりも少ない量が適当である
2) 少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力の低い者では通常の代謝能を有する人よりも少ない量が適当である
3) 65歳以上の高齢者においては、より少量の飲酒が適当である
4) アルコール依存症者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要である
5) 飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではない

厚生労働省.『アルコール』18

ついでに、1日20g、週に直すと140gのアルコールというのは下記の量になります。

  • ワイン:ボトル2本
  • ビール:缶ビール8本
  • 日本酒:7合

詳しくは下記で紹介しています。

【酒は百薬の長】適量のお酒は体に良いのか? エビデンスをもとに解説

2016年に195カ国を対象として行われたシステマティック分析では、中央アジアや東ヨーロッパ、その他の地域において、病気の原因にアルコールが10位以内に入っています。ま…

レジスタントスターチで高血糖を抑制する

レジスタントスターチとは冷めたでんぷんです。

白米やさつまいもなどに含まれるでんぷんは、消化酵素の働きでブドウ糖に分解されて小腸で吸収されます。ただし、冷えているとでんぶんの一部がレジスタントスターチとなり、消化されにくい性質(難消化性)を持つようになります。消化されにくいということは消化が緩やかになるということです。

この性質があるため、お米やそば、ラーメンは温製よりも冷製の方が血糖値が上がりにくくなります。血糖値上昇を気にされている方は冷製を選ぶようにしましょう。

注意点があります。レジスタントスターチは再加熱によって分解されてしまいます。せっかく冷ましても温めたら意味なくなってしまうので気をつけましょう。

肺に入れる空気をきれいにする

食べるものに気を遣っている人は多くいますが、空気に気を遣っている人はほとんどいません。ただ、吸っている空気にはさまざまな化学物質が含まれていることを知り、できる範囲で対策することは体を守る上でも重要だと考えています。

例えば、一酸化炭素は無味無臭で毒性が強いと言われていますが、火災や炭坑などの近くでは大量に発生しています。この一酸化炭素は空気中のたった0.02%の濃度になっただけで、頭痛や吐き気などの症状が出始めると言われています。大気中に含まれている物質には、微量でも人体に大きな影響を与えているものがあります。

他にも、農薬による健康被害も検証されています。2013年にノースウェスタン大学で行われた研究によると、除草や殺虫などで使われている7種類の農薬について、これら農薬への累積曝露量の多い人ほどテロメアが短くなる傾向にあることが分かっています。19

「そんなこと言われても、呼吸するときに空気を選べないんだから対策しようがない」と思いますよね。確かに、吸う空気を完全にコントロールすることはできませんが、下記のように自分にできる範囲で対策することが体を守ることにつながります。

肺に入れる空気をきれいにするための具体策

  1. 工業地帯や交通量の多い幹線道路などの排ガスが多い場所を避ける
  2. 寝室に空気清浄機を設置する
  3. 石油ストーブやガスストーブの代わりにオイルヒータを使う

栄養成分表示をチェックする

野菜や果物などの体に良さそうなものを食べるべきと思っていても、目の前のクッキーに手が伸びてしまう人は、パッケージの裏に記載されている栄養成分表示を毎回チェックするようにしてみてください。

栄養成分表示には、食品表示基準に基づいた栄養素の表示が義務付けられています。20 表示する栄養成分は3つに分けられます。

食品表示制度における栄養成分表示の種類

  1. 義務表示
    熱量(エネルギー)、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量
  2. 推奨表示
    飽和脂肪酸、食物繊維
  3. 任意表示
    ミネラル(カルシウム、鉄など)、ビタミン(ビタミンA、ビタミンCなど)、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、コレステロール、糖質及び糖類

食品ごとの栄養成分をチェックする習慣は意外な発見につながります。例えば、果糖が多く含まれるブルーベリーは糖質が多くてカロリーが高いと思いがちですが、袋いっぱいのブルーベリー(200g)を食べても100kcal未満です。一方で、手のひらに収まるようなドーナッツでも300kcalを当たり前のように超えます。

感覚的に甘いものほどカロリーが高いと思います。しかし、果物は甘い割には思ったよりカロリーが低くて、お菓子類は小さいのに異常にカロリーが高い、といった事実が成分表の数字を見ることで理解することができます。

この成分表をチェックするという習慣が、お菓子の誘惑に争うブレーキになってくれます。

私は、何も気にせずに買っていた甘いお菓子も、つい最近までは手を伸ばし、栄養成分を見ては絶望しては棚に戻すということを繰り返していました。そんなことを繰り返しているうちに、「甘いお菓子を食べる」という選択肢が消え、食べたいという欲求は無くなりました。

皆さんも栄養成分表示をチェックして現実を受け止めるようにしてみてください。

  1. 厚生労働省. 『健康日本21(第二次)』
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html  ↩︎
  2. Saeko Imai, Michiaki Fukui, and Shizuo Kajiyama. "Effect of eating vegetables before carbohydrates on glucose excursions in patients with type 2 diabetes". J Clin Biochem Nutr. 2014 Jan; 54(1): 7–11.
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3882489/ ↩︎
  3. Heiner Boeing, Angela Bechthold,corresponding author Achim Bub, Sabine Ellinger, Dirk Haller, Anja Kroke, Eva Leschik-Bonnet, Manfred J. Müller, Helmut Oberritter, Matthias Schulze, Peter Stehle, and Bernhard Watzl "Critical review: vegetables and fruit in the prevention of chronic diseases". Eur J Nutr. 2012; 51(6): 637–663.
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3419346/ ↩︎
  4. S M Kleiner. "Water: an essential but overlooked nutrient". J Am Diet Assoc. 1999 Feb;99(2):200-6. doi: 10.1016/S0002-8223(99)00048-6.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9972188/ ↩︎
  5. Michael N Sawka, Samuel N Cheuvront, Robert Carter 3rd. "Human water needs". Nutr Rev. 2005 Jun;63(6 Pt 2):S30-9. doi: 10.1111/j.1753-4887.2005.tb00152.x.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16028570/ ↩︎
  6. Enrique Jurado-Ruiz , Leticia Álvarez-Amor , Lourdes M Varela , Genoveva Berná , María S Parra-Camacho , María J Oliveras-Lopez , Enrique Martínez-Force , Anabel Rojas , Abdelkrim Hmadcha , Bernat Soria , Franz Martín. "Extra virgin olive oil diet intervention improves insulin resistance and islet performance in diet-induced diabetes in mice". Sci Rep. 2019 Aug 5;9(1):11311.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31383924/ ↩︎
  7. 厚生労働省. 『国民健康・栄養調査報告』
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html ↩︎
  8. Robert W Morton, Kevin T Murphy, Sean R McKellar, Brad J Schoenfeld, Menno Henselmans, Eric Helms, Alan A Aragon, Michaela C Devries, Laura Banfield, James W Krieger, Stuart M Phillips. "A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults". Br J Sports Med. 2018 Mar;52(6):376-384. doi: 10.1136/bjsports-2017-097608. Epub 2017 Jul 11.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28698222/ ↩︎
  9. D Ruanpeng, C Thongprayoon, W Cheungpasitporn, T Harindhanavudhi . "Sugar and artificially sweetened beverages linked to obesity: a systematic review and meta-analysis". QJM. 2017 Aug 1;110(8):513-520. doi: 10.1093/qjmed/hcx068.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28402535/  ↩︎
  10. Sigrid Gibson. "Sugar-sweetened soft drinks and obesity: a systematic review of the evidence from observational studies and interventions". Nutr Res Rev. 2008 Dec;21(2):134-47. doi: 10.1017/S0954422408110976.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19087367/ ↩︎
  11. Ricki J Colman, Rozalyn M Anderson, Sterling C Johnson, Erik K Kastman, Kristopher J Kosmatka, T Mark Beasley, David B Allison, Christina Cruzen, Heather A Simmons, Joseph W Kemnitz, Richard Weindruch. "Caloric restriction delays disease onset and mortality in rhesus monkeys". Science. 2009 Jul 10;325(5937):201-4. doi: 10.1126/science.1173635.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19590001/ ↩︎
  12. Julie A Mattison, Ricki J Colman, T Mark Beasley, David B Allison, Joseph W Kemnitz, George S Roth, Donald K Ingram, Richard Weindruch, Rafael de Cabo, Rozalyn M Anderson. "Caloric restriction improves health and survival of rhesus monkeys". Nat Commun. 2017 Jan 17:8:14063. doi: 10.1038/ncomms14063.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28094793/ ↩︎
  13. ルイージ・フォンタナ (2022)『科学的エビデンスにもとづく 100歳まで健康に生きるための25のメソッド』. 東京大学出版会 ↩︎
  14. Eiko Saito, Manami Inoue, Norie Sawada, Hadrien Charvat, Taichi Shimazu, Taiki Yamaji, Motoki Iwasaki, Shizuka Sasazuki, Tetsuya Mizoue, Hiroyasu Iso, Shoichiro Tsugane. "Impact of Alcohol Intake and Drinking Patterns on Mortality From All Causes and Major Causes of Death in a Japanese Population". J Epidemiol. 2018 Mar 5;28(3):140-148. doi: 10.2188/jea.JE20160200. Epub 2017 Nov 11.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29129895/ ↩︎
  15. Behrens G, Leitzmann MF, Sandin S, et al. "The association between alcohol consumption and mortality: the Swedish women’s lifestyleand health study". Eur J Epidemiol. 2011;26(2):81–90.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21267637/ ↩︎
  16. Jayasekara H, English DR, Room R, MacInnis RJ. "Alcohol consumption over time and risk of death: a systematic review and meta-analysis. Am J Epidemiol". 2014;179(9):1049–1059
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24670372/ ↩︎
  17. Reiko Suzuki, Motoki Iwasaki, Manami Inoue, Shizuka Sasazuki, Norie Sawada, Taiki Yamaji, Taichi Shimazu, Shoichiro Tsugane; Japan Public Health Center-Based Prospective Study Group. "Alcohol consumption-associated breast cancer incidence and potential effect modifiers: the Japan Public Health Center-based Prospective Study". Int J Cancer. 2010 Aug 1;127(3):685-95. doi: 10.1002/ijc.25079.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19960437/  ↩︎
  18. 厚生労働省.『アルコール』
    https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html#:~:text=%E5%BE%93%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%80%81%E9%80%9A%E5%B8%B8%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BB%A3%E8%AC%9D,%E7%95%99%E6%84%8F%E3%81%99%E3%82%8B%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82&text=%E2%97%8B%E3%80%8C%E7%AF%80%E5%BA%A6%E3%81%82%E3%82%8B%E9%81%A9%E5%BA%A6%E3%81%AA,%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%AD%98%E3%82%92%E6%99%AE%E5%8F%8A%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82 ↩︎
  19. "Lifetime pesticide use and telomere shortening among male pesticide applicators in the Agricultural Health Study" Lifang Hou , Gabriella Andreotti, Andrea A Baccarelli, Sharon Savage, Jane A Hoppin, Dale P Sandler, Joseph Barker, Zhong-Zheng Zhu, Mirjam Hoxha, Laura Dioni, Xiao Zhang, Stella Koutros, Laura E Beane Freeman, Michael C Alavanjz
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23774483/  ↩︎
  20. 消費者庁. 『栄養成分表示について』
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/ ↩︎